セルフォックレンズアレイ

セルフォックレンズアレイ ■ SLAとは・・・
SLA(セルフォック・レンズ・アレイ)は、屈折率分布型レンズ(Selfoc)を多数配列し、全体で1個の連続した像を形成する光学系で、スキャニングシステム用光学系に最適なレンズです。

■ 小型・軽量
重さ5~100gの小型で非常に軽いレンズです。

■ 正立等倍実像
SLA単体で正立等倍実像を形成します。球面レンズと異なり複数のレンズや反転ミラーが不要で、シンプルかつ低コストな光学系を実現します。

■ 均質な画像
幅(長手)方向に対し、球面レンズのような光量と解像力の低下がなく、均質な画像を得られます。

■ シンプルな光学系
共役長TC(物体から像面までの距離)がTC=10~54mmと短いので、装置を小型化するための光路折り返しミラーも必要としません。

■ 取付が容易
球面形状ではなく短冊形状(細長い直方体形状)のため、特別なレンズホルダーを必要とせず、取り付けが容易です。


SLA、球面レンズ、ファイバープレートと比較すると次のような特徴があります。

SLA、球面レンズ、ファイバー・プレートの比較

  SLA(スキャナーに用いられているもの) 球面レンズ(複写機に用いられているもの) ファイバー・プレート(CRT等に用いられているもの)
開口角 12° 30°
解像力 6LP/mmにおけるMTFが約80%であり全幅にわたって均一 SLAと同程度
レンズ中心部に比べ、 周辺部で低下する。
解像力に難がある。
ファイバー径が約25μφであるので、限界解像力は約10LP/mm
焦点深度6LP/mmでのMTFが10%以上 浅い(約±0.4mm) 深い(約±2mm) 非常に浅い
(約+0.2mm)
光量 F3相当
全幅にわたって均一
F5
レンズ中心部に比べ、周辺部で低下する
F1相当
全幅にわたって均一
形状 小型、軽量な短冊状、 球面形状、大きい 短冊状、小型
物体・
像面間距離
非常に短い
(約10mm)
長い
(600~1,200mm)
原則として
ファイバー・プレートの厚み
(5~10mm)
汎用性 光学系がシンプル・コンパクトで低コストかつ取り付けが容易。
複写機やMFP、産業用検査機等の各種スキャナーに使用。
光学系にミラー・フレーム等が必要で、複雑かつコスト高となる。
各種用途に使用される。
原則として密着使用しかできず、耐久性に問題がある。また高価である。CRTとの組み合せがほとんど唯一の実用例である。

SLAの品種構成

SLAの品種構成

※1)上記数値はいずれも設計値です。
※2)61ip/mmでのMTFを10%以上確保できる像面ズレ
※3)MTF 平均値はtypical値です。

複写機・MFPのスキャナー

現在、複合機(MFP)のスキャナーの多くには、SLAとラインセンサー、棒状LED光源(セルガイド)を使用した密着イメージセンサーが採用されています。

SLAを使用する利点を以下に挙げます。

(1)小型化
SLAを使うことで装置のコンパクト化、低コスト化が可能となります。
従来複写機で用いられてきた、球面レンズを3枚以上組み合わせた従来の複合レンズでは、1対1結像系を構成すると、物体面と像面との間を焦点距離fの4倍にする必要があります。通常焦点距離fは150~300mmあるので、物体面・像面間距離TCは600~1200mmとなってしまいます。そのため、球面レンズでは、複数の鏡を使って像を反転するとともに、物体面・像面間距離を短くする必要がありました。SLAを使うと、単体で正立等倍実像を結び、かつTCも約10mmと短くできるので、各種ミラーやレンズを省く事ができ、光学系がシンプルになります。この結果、装置のコンパクト化、低コスト化に大きな効果があります。

(2)均質な解像力と光量
SLAは全幅にわたり均等な像と光量を得られます。
球面レンズを使って光学系を小型化しようとすると、焦点距離fを短くする必要がありますが、焦点距離fを短くすると、視野角が大きくなり、レンズ中心部と周辺部の光量差が大きくなると共に、レンズ周辺部での像のボケが大きくなります。そこで球面レンズを使った複写機では、光量を周辺部で大きくすることが普通でした。SLAを使うと、このような問題は生じません。

(3)その他
シンプルな短冊形状であり、また機械的・熱的に強いため、実装が非常に容易です。
更に読取対象を大きく(小さく)する際には、SLAの全幅方向を大きく(小さく)するだけでよいので、対象サイズの変更も容易であり、装置の小型化にも大きく貢献します。
(品種により、対応可能な全幅サイズWTは異なります。)

LEDプリンタ

主にビジネス用途に使用されるページ・プリンタとしてLEDプリンタがあります。これはLEDアレイを電気信号により選択的に発光もしくは開閉させて、その光をSLAを介して感光ドラムに照射、静電潜像を形成させて、この部分に付着させたトナーを普通紙に転写するプリンタです。類似の方式にレーザービームプリンタがありますが、LEDプリンタはレーザービームプリンタのように大きく複雑な光学系を必要とせず、またポリゴンミラー等の稼動部が存在しないため、コンパクトで信頼性が高いプリンタとして高く評価されています。


※セルフォック®レンズアレイは、日本板硝子の登録商標です。