社長メッセージ

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

さて、当期(2023年3月期)は、原燃材料費等コストの高騰、自動車生産の制約等、当社にとって強い逆風下での事業環境となりましたが、当社グループの中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」における主要施策に取り組み、全社をあげてこれらの影響の緩和に努めてまいりました。

その結果、当期の業績は、売上高が前期比27%増の7,635億円(前期は6,006億円)、営業利益は前期比74%増の348億円(前期は200億円)となりました。ただ、第2四半期に欧州自動車用ガラス事業ののれん・無形資産全額(488億円)について減損損失を計上したため、税引前損失、当期損失、親会社の所有者に帰属する当期損失となりました。

2024年3月期の取り組みと中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」の推進

2024年3月期は、RP24の最終年度となります。燃料費はやや低下しましたが、引き続き世界的なインフレ拡大に伴う原材料費や運送費、人件費その他のコスト上昇の影響、また金利上昇に伴う潜在的な景気後退リスク等、事業環境は不透明です。

4月より新たな経営体制がスタートしましたが、RP24における3つの改革である「コスト構造改革」、「事業構造改革」、「企業風土改革」に引続き注力していくことに変わりはありません。

「コスト構造改革」では、人員効率化や固定費削減等、本質的なコスト削減に引き続き取り組んでまいります。デジタルトランスフォーメーションはその推進に不可欠であり、全社横断で進めていく予定です。

「事業構造改革」については、建築用ガラス事業では、太陽電池パネル用ガラスの拡大やビル・住宅向け建物一体型太陽光発電パネルの開発に取り組んでおり、高付加価値ガラス事業の拡大を進めています。高機能ガラス事業では、コンタクトイメージセンサーに使用されるSELFOC® Lens Arrayの産業用検査機用途等デジタル市場への展開を図っています。脱炭素社会を背景に伸びる複合材市場への新たなソリューションとして上市した高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI®」は、輸送機の構造部材として多くの引き合いを受けています。

「企業風土改革」では、「コスト構造改革」「事業構造改革」を成し遂げていくため、4(=3+1)つの「F」(Flatな組織、Frankなコミュニケーション、Fastな意思決定+職場におけるFun)と人材の多様化により、改革を加速してまいります。

以上のRP24における3つの改革の推進を踏まえ、将来に向けた戦略として、4つの「D」(Decarbonisation(脱炭素化)、Digital(デジタル)、Development(新規事業・製品開発)、Diversity(多様化))をキーワードに取り組んでまいります。「脱炭素化」と「デジタル」は、グループ事業の成長のためだけでなく、コスト削減等オペレーションにおいても極めて重要です。また「脱炭素化」と「デジタル」という市場トレンドをビジネスにつなげるため、新技術、新商品、新ビジネスモデルの「開発」をしてまいります。そして事業の発展に欠かせない、新しいアイデアの源泉として人材の「多様化」をより一層進めてまいります。

これらの改革と戦略の実行により、早期の収益力の回復と事業構造の転換の加速を実現し、安定的な純利益とフリー・キャッシュ・フローを創出する持続的成長が可能な事業体質への変革を進めてまいります。

配当について

当社グループでは、持続可能な事業の業績をベースにして、安定的に配当を実施することを利益配分の基本方針としております。

当期の普通株式の期末配当につきましては、当社グループの業績、財務状況等を総合的に勘案し、誠に遺憾でございますが、その実施を見送ることといたしました。配当は株主の皆様にとって非常に重要なものであると認識しており、グループの業績改善、財務基盤の強化に注力し、一日も早い配当再開を目指してまいります。

株主の皆様におかれましては、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2023年6月
日本板硝子株式会社
取締役 代表執行役社長兼CEO
細沼 宗浩

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