株主の皆様へ

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

NSGグループは、企業ビジョン“ガラス技術で世界に変革を”のもと、建築用ガラス、自動車用ガラス、高機能ガラスの各分野において、気候変動の影響軽減や安全性や快適性の向上に役立つさまざまな高付加価値製品を提供することを通じて、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指しています。

また、「事業は人なり」を経営理念とし、顧客、従業員、株主、サプライヤー、そして地域社会というステークホルダーの皆様から最上位の会社と評価されるよう努めてまいります。

2018年3月期の総括

当期は、建築用及び自動車用ガラス事業での好調な市場環境と生産性の改善、及びVA化の進展、高機能ガラス事業での販売の増加やディスプレイ事業のコスト改善により、売上高は6,039億円(前期比4.0%増)、営業利益は357億円(前期比19.4%増)と5期連続で増益になり、税引前利益も222億円(前期比50.3%増)と大幅に回復し、2期連続の最終損益黒字化と増益を達成することができました。継続的に取り組んできたコストダウンやリストラクチャリング等の施策の効果が発現し、また好調な市況にも支えられ、安定的な利益とキャッシュ・フローの創出が可能な財務体質へと改善が進んでまいりました。

以上の状況を踏まえ、当社取締役会は、2012年3月期以来となる配当の実施を決議いたしました。当社は、持続可能な事業の業績をベースにして、安定的に配当を実施することを利益配分の基本方針としており、将来、A種種類株式全てを償還した後も、連結配当性向30%を目安として継続的な配当の実施に努めてまいります。

MTP フェーズ2の進捗について

当期はMTPフェーズ2の初年度として、堅調なスタートを切ることができました。基本目標の一つである「財務サステナビリティの確立」に向けて、168億円のフリー・キャッシュ・フローを創出するとともに、ネット借入・金利コストの削減も実施いたしました。自己資本比率も17.0%となり着実に改善が進みました。もう一つの目標である「VAガラスカンパニーへの変革」(*1)についても、断熱効果を高めたスーパースぺーシア®の発売や、自動車用ガラス生産用の高精度プレス製造設備の日本及び米国における増強など、様々な取り組みや新製品の導入を実施しVA製品売上を伸ばしました。MTPフェーズ2の指標としていますVA売上比率は44%まで向上し、売上高営業利益率(ROS)(*2)も6.2%となり、MTPフェーズ2の順調な進展が見られました。

来期以降も、安定的に推移するものと見込まれるグローバルの建築用及び自動車用ガラス市場を背景に、MTPフェーズ2で掲げた4つの重点施策(*3)を着実に進めてまいります。また持続的な成長を実現していくため、グループの成長戦略を担う組織として「ビジネスイノベーションセンター」を設置し、新規事業の育成・新しい顧客価値の創造を加速してまいります。

(*1) VAとは英語のValue-Addedの頭文字に由来
(*2) 無形資産償却前営業利益をベースに算定
(*3) MTPフェーズ2で掲げた4つの重点施策:「VA No.1戦略の推進」「成長ドライバーの確立」「ビジネスカルチャーイノベーション」「グローバル経営の強化」

持続的成長可能な社会の実現に向けた取り組みについて

今、私たちの社会は、地球的規模の様々な課題に直面しています。そのような中で当社グループは自らの製造工程で排出するCO2や廃棄物の削減に積極的に取り組むと同時に、VA製品や技術を通じ、温室効果ガスの排出削減や気候変動の影響緩和、その他の社会的な課題に、大きく貢献できると確信しております。建築用ガラス事業部門では、創エネに貢献する太陽光発電用ガラスや省エネに大きく寄与するLow-Eガラス、真空ガラススペーシア®、防火ガラスなど、自動車用ガラス事業部門では、自動車のCO2排出量削減やエネルギー効率改善を可能にする軽量合わせガラスやソーラーコントロールガラス、また安全で快適な移動に貢献するヘッドアップディスプレイ用高面精度フロントガラスや遮音ガラスなど。高機能ガラス事業部門では、自動車のエネルギー効率向上に寄与するバッテリーセパレータやグラスコード、プリンタ等電子機器の小型軽量化に寄与するセルフォック®レンズなど。これらのVA製品の提供を通じて、様々な環境面での課題解決、安全で快適な社会の実現、そして当社グループの事業機会拡大・更なる成長を目指してまいります。

また当社グループは2018年4月に太陽光発電設備の大手であるファーストソーラー社(米国)との間で長期のコーティングガラスの供給契約を締結し、併せて米国およびベトナムでのガラス生産能力を増強することを決定いたしました。ファーストソーラー社とはこれまで長年にわたり顧客として、また事業パートナーとして良好な関係を続けており、今回の決定はMTPフェーズ2期間中およびその後の当社グループの成長に大きく貢献するものと考えております。

最後に

当社は、2018年11月22日に創立100周年を迎えます。株主各位をはじめとするステークホルダーの皆様のご支援に支えられ100年の長きにわたり事業を継続することができました。グループ役職員一同、心より感謝申し上げます。次の100年におきましても、持続的に成長する企業として更なる発展を遂げるよう、全社一丸となって企業価値の向上に努めてまいる所存です。

日本板硝子株式会社
代表執行役社長兼CEO
森 重樹