地球環境に優しい新ソーラーコントロールガラス「LEGART/レガート」の販売開始について

Date
1998年 08月 26日
 日本板硝子株式会社(社長 出原 洋三)は、高まる地球環境問題に対して97年12月に「日本板硝子の環境方針」を定め環境と調和した活動に取り組んでいる。この一環として、この度、自動車用の新しいソーラーコントロールガラスとして「LEGART/レガート」シリーズを開発し、今秋から販売を開始する。

 「LEGART/レガート」シリーズは、COP3(地球温暖化防止京都会議)合意で削減が必要な温室効果ガスのうち90%以上を占めるCO2 排出量削減問題、なかでも自動車の燃費向上によるCO2削減を、窓ガラス自体が高い断熱性を持つことで空調負荷軽減による燃費向上を果たすことで貢献する。更に、そのガラス自体を製造段階から環境負荷物質を含まないガラス組成、具体的には、添加物質のセレン(Se)やCr(クロム)を含まずに、目標とする高い断熱性/ソーラーコントロール性をもつガラス、つまり、「地球に優しい、人に優しい」ことを第1の基本コンセプトにして開発した。

 また、その効果を広くどの車種・車系にも適用してもらう為に、自動車用の窓ガラスとして、現在、標準化しつつあるUVカットガラスのグリーン色との調和・マッチングが可能なグリーニッシュグレーを基本色調とした。また、自動車として安全性面から視認性の良い明るさ・濃さの設定と言う観点で、セダンやステーションワゴン系のなどの乗用車感覚にマッチする「LEGART35」、後席・荷室のプライバシー性が重視されるいわゆるRV車のサイドガラスやサンルーフガラスへの適用を考えた「LEGART 20」の2タイプの濃さの設定を行う。

 いずれも、ガラス自体として断熱性(熱線吸収性能)に優れ、エアコン負荷軽減による燃費向上によるCO2 排出量削減効果が期待されるのみならず、乗員にとっては、窓越しにじりじりする灼熱感低減や、高いUV(紫外線)カット性を併せ持つので、やすらぎと快適なキャビンの形成に貢献し「人に優しい」特性を持っている。

1.開発にあたって
 自動車用の窓ガラスは、グリーンガラスが一般的であったが、高まる健康意識から、現在UVカ ットガラス(グリーン)を採用するのが、今や常識の時代となりつつある。
 自動車用の窓ガラスには、安全な視界確保という観点から、ウィンドシールドとフロントドアガ ラスを対象に、可視光線透過率70%以上というレギュレーションが定められている。(注記:欧州はウィンドシールドは75%以上)しかし、運転席・助手席より後ろの窓についてはこれは適用 されない。現在、国内乗用車販売の約半数を占めるいわゆるRV車においては、高濃色グレー色のプライバシーガラスやハーフミラー状の熱線反射ガラスをリアドアガラス以降の窓ガラスに設定す るクルマが多くなっており、一部のセダン車にでも設定されるようになった。これらのガラスについても、空調負荷軽減によるCO2 排出削減が期待できる。このうち、現在一番採用が増加してい る高濃色グレーガラスには、ガラス組成に環境負荷物質であるセレン(Se)等を着色剤として添加が必要である。
 そこで、日本板硝子は、ガラス製造段階(ガラス組成)から、環境負荷物質を含まず、かつ高い 断熱性やUVカット性をもつ新しいソーラーコントロールガラス「LEGART/レガート」の開発を実施、この秋から販売を開始する。

2.「LEGART/レガート」の特徴
(1)基本コンセプト 「優しさ・上品さ・優雅さ」
 <優しい> 地球に優しい
  ・クルマ社会でのCO2排出削減効果 <空調負荷軽減>
  ・環境負荷物質を低減したもの造り <ガラス製造時の環境>
 <優しい> 人に優しい
  ・UV/熱遮断による快適な車内空間 <乗員の快適性>
  ・視認性の良い車外視界とプライバシーの調和 <安全性>
 <上品さ> 車系にベストマッチ
  ・ユーザー/狙いに合わせた活用 <2タイプの濃さの使い分け>
 <優雅さ> 窓カラーの調和
  ・グリーニッシュなエクステリア窓カラー <グリーニッシュグレー色調>

(2)特徴1.地球に優しい
1.環境負荷物質低減 ガラス製造時の環境負荷物質の排出低減
2.優れた断熱性 日射透過率 30%(4mm)以下の性能 、CO2 排出削減効果

<CO2 排出削減効果の試算>
 一般に、車両の熱負荷5%削減すると、AC(エアコン)消費動力は約10%の削減が可能。これは、車両燃費が2~4%向上することが可能といわれている。
 セダンのRD(リアドアガラス)以降にLEGARTを設定すると、熱負荷は2.2~2.3 %削減。AC消費動力は約4~5%低減、燃費は1~2%向上する。
 仮に平均燃費10.0km/Lで、年間1万Km、1000Lのガソリン消費のクルマのCO2排出量は、炭素換算で650Kg/年となる。このクルマにLRGARTを適用すると、CO2排出量は6.5~13Kg/年の削減効果が可能。
 これを、98年3月末の国内保有台数(ガソリン車)約5664万台すべてに適合すると、 CO2の排出量は3682万ton/年(炭素換算)となるが、全車LEGARTを適用すると37~74万ton/年のCO2 排出削減となる。これを、杉の木(直径26cm、高さ22m)に換算する と約10万~20万本に相当する。

(3)特徴2.人に優しい
 1.UVカット性 UVカットガラス以上の遮断性を保有
 2.優れた断熱性 皮膚温度上昇を抑制し、ガラス越しの灼熱感を軽減
  ・LEGART 35:日射透過率 約30%以下(4mm)
  ・LEGART 20:日射透過率 約20%以下(4mm)
 3.明るい車外視界 違和感を感じさせない明るい車外視界

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