サステナブルサプライチェーン

NSGのコミットメント

NSGグループはその経済的影響力を活用し、広範なサプライチェーン全体における炭素排出量の削減などの改善を通じて、より良い地球と社会の実現を目指しています。これは、NSGグループが掲げる「快適な生活空間の創造で、より良い世界を築く」というOur Visionを裏付けるものです。

サプライヤーのモニタリングと改善努力

私たちはサプライヤーと共に、当社の価値観を共有し、且つ最高水準のサプライチェーンとより広い社会的、経済的、環境的利益の達成を目指しています。

NSGグループは、Eco Vadis(サプライチェーンのESGパフォーマンスを評価する外部機関)を通じてサプライヤーのESG評価指標(KPI)のモニタリングを行い、サプライチェーンの持続可能性を継続的に改善するよう努めています。Eco Vadisを通じてESG評価の対象範囲を拡大し、改善アクションプランを通じてサプライヤーと連携することで、環境、労働と人権、倫理、持続可能な調達の分野でのサプライチェーンの形成と改善を目指しています。

主要サプライヤーのEco Vadis評価のカバー率(購入金額ベースの加重平均による)は、図1に示すように、過去3年間で着実に増加しています。2024年の最終目標値である65%に対し、2023年3月期は60%となりました。さらに、環境に大きな影響を与える可能性のある材料サプライヤーについては、「サプライヤーパフォーマンスとリスク管理手順」に従って、ISO14001または国内の同等の認証を取得するようもとめています。

図1

2023年3月期は、EcoVadisの低得点のサプライヤーにも注目し、スコア向上に向けた取り組みを強化しました。図2に示されるように、全体的な平均スコアは59から61に増加し、低スコアのサプライヤーの数が継続して減少するとともに、当社サプライヤーのEcoVadisスコア分布はEcoVadisデータベースの全サプライヤーの結果を上回っており、この結果から、当社の戦略が成功していることがうかがえます。

図2

図3が示すように、EcoVadisの主要テーマである環境(ENV)では低スコアサプライヤーの増加が見られましたが、労働と人権(LHR)、倫理(ETH)、持続可能な調達(SUS)の項目別スコア分布では低スコアのサプライヤー数が減っており、全体的なサプライヤースコアリングの改善を見ることができます。

図3

環境に対して大きな影響を与える可能性のあるサプライヤー(HEI:High Environment Impact)には特別な注意を払っています。木材梱包、ガラス材料、廃棄物処理事業、請負業者、化学物質等のHEIに分類される13の原材料カテゴリーに属するすべてのサプライヤーは、サプライヤー行動規範に署名して遵守し、ISO14001またはこれに相当する国内の環境認証の取得および/またはEcoVadisの評価を受けることが望まれます。木材、紙および段ボール梱包材に関しては、その原材料の供給先についての森林管理協議会(FSC:Forest Stewardship Council)またはPEFC森林認証プログラムによるCoC(Chain of Custody)認証の取得を求めることにより、これらのサプライヤーが環境に与えるマイナスの影響を最小限に抑えるよう努力しています。ISO14001や森林認証の取得、EcoVadisスコアなど環境面におけるサプライヤーのコンプライアンス状況、及びIATF16949やISO9001など品質面におけるサプライヤーのコンプライアンス状況は、図4の通りです。

図4

ESG目標とトレーニング

NSGの調達チームは、執行役から一般社員にいたるまで、組織の全てのレベルにおいて、上記に記載したサステナビリティ活動に関連するS.M.A.R.T(Specific, Mesureable, Achievable, Realistic, Timely)の目標が設定されています。また、NSGの倫理規範、贈収賄および腐敗防止(ABAC)、競争コンプライアンス、そして最近では詐欺およびISセキュリティ等、ESG項目に関するさまざまなトレーニングの受講が調達チームには求められます。さらに、当社の長期的なパートナーであるEcoVadisのサポートのもと、調達に関する実践的な支援を含むESG意識向上のためのトレーニングセッションを実施しています。

2023年3月期には、調達プロセスに特化した最初の研修が、NSGのグローバル事業における非調達部門のマネージャー全員を対象に実施されました。サプライヤーとの取引業務やガイドラインを直接理解することは、各自が担当する事業の競争力強化やコンプライアンス向上だけでなく、多くの領域で有益と考えます。図5は、それぞれのファンクショナル・エリアにおける2023年3月期の研修モジュール完了者数を示しています。

図5

サステナブルサプライチェーンに対する戦略的なアプローチ

2022年、NSGはグループミッション「ガラス技術で世界に変革を」に沿うかたちで、新たな調達ミッションを制定しました。新たな調達ミッション「Leveraging our Supply Chains, Improving our World(サプライチェーンを活用し、世界を改善する)」では、サプライパートナーが地球と社会に十分な配慮を行うとともに、NSGグループのサステナビリティ目標にも貢献することを目指しています。以下において、サステナブルなサプライチェーンに関するNSGの指針を述べるとともに、サプライヤーとのパートナーシップのもとで取り組んでいる事例を紹介します。

  • サプライチェーンのサステナビリティ戦略をNSGグループのサステナビリティ目標に整合させます
  • 当社がサプライチェーンにおける持続可能性のリーダーとして認識されるようにします
  • NSGの人材の獲得と維持を支援します
  • 国際規格ISO 20400:持続可能な調達の原則に従います

その最初のステップとして、十分に持続可能なサプライチェーンを確立・発展させることを目的に、長期的な方針とコミットメントをまとめた「NSGグループ サステナブル・サプライチェーン憲章」を2023年9月に発表しました。サプライチェーン憲章には、サプライヤーに期待するコミットメントと、その進捗を測定するためのKPIも記載しています。サプライチェーン憲章では、サプライチェーンに重大なインパクトを与え得る観点から、以下の8つを主要分野として特定しています。

それぞれのテーマにおいて、①コミットメント、②サプライヤーに期待すること、③当社とサプライヤーが協働して達成を目指す姿であるジョイント・アスピレーション、④進捗を測定するためのKPI、の4つを設定しています。また、調達のカテゴリーや地域別に優先して取り組むべきテーマを設定する目的で、リスクヒートマップ分析も行っています。

上記の施策と並行して、スコープ3の排出量を30%削減(2018年対比)させる目標の達成に向けた取り組みを加速しています(図6)。図6は、調達分野におけるESG目標の成熟度を示しています。

この推進には部門横断で強力なガバナンス体制が導入されており、CEOが委員長を務めるグループ全体のサステナビリティ委員会に直接報告が行われます。

図6

2023年3月期における外部評価

これは、日本では105社、世界では500企業(合計13,000以上の評価対象企業のうち)のみに付与されるタイトルですです。 CDPは、投資家、企業、都市、州、地域に対し、気候変動、水の安全保障、森林伐採に対する環境へのインパクトを認識・把握するためのグローバルな情報開示システムを提供する非営利団体です。ESG分野の改善に向けた当社とサプライヤーの協働努力が、外部からの評価で支持されたことを大変嬉しく思います。

当社は、EcoVadisを利用することで、当社の調達基盤のみならず、当社の顧客や投資家が求める視点やファクターもカバーするかたちで評価・検証を行っています。「持続可能な調達」というテーマにおいて、当社はスコアを60ポイントから70ポイント(100ポイント中)にまで引き上げることができています。これはガラス業界でトップ3%に位置します。

NSGグループは2023年、プロボノコミュニティである「持続可能な調達の誓い」(Sustainable Procurement Pledge, SPP)の「リーグ・オブ・チャンピオンズ」に参加しました。この個人と企業のネットワークに参加することは、持続可能な調達とサプライチェーンの推進に繋がります。NSGは、このグループ活動への参画やそこで得た知見を通じても、持続可能な調達プログラムの展開を加速させて行きます。

「持続可能な調達の誓い - 変革を共に」(Spp.earth)

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