取締役および執行役の報酬等の決定に関する方針等

① 報酬等の決定にかかる組織及び責任

当社は、指名委員会等設置会社として報酬委員会を設置しています。同委員会は、5名の独立社外取締役、及び1名の取締役 代表執行役社長兼CEOで構成されています。現在の委員長は社外取締役であるヨーク・ラウパッハ・スミヤ氏です。

委員自身の報酬等に関する事項が議論される場合には、当該委員は出席できません。委員会の運営については、人事部門が事務局として支援し、適宜外部専門家により提供される情報を使用します。また、法務関連事項については委員会の規程に基づき総務法務部のメンバーが適宜サポートします。

同委員会は次の事項を決定する権限を有しています。

  • 取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針の決定
  • 取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定

また、同委員会は、取締役及び執行役以外の当社グループの上級幹部の報酬の方針及び内容について、以下の③で掲げる方針に則り、代表執行役社長兼CEOに対し、推薦又は助言することができます。

② 報酬決定過程における報酬委員会の活動内容

2020年3月期においては、同委員会は4回開催され、個別の基本報酬額、ストックオプション割当数並びにインセンティブ報酬(業績連動報酬)に係る指標、支給額の決定方法及び前期の指標の達成度に基づく支払額などを決議しました。また適宜定められたインセンティブ報酬の指標に係る進捗状況について確認をしています。各回に委員の全員が出席し、出席率は100%でした。

③ 執行役の報酬等の決定に関する方針

当社グループはグローバルに事業を展開しており、世界約30ヶ国に主要な製造拠点を持ち、100ヶ国以上で製品の販売を行っています。執行役の報酬に関する方針の目的は、執行役の任用契約条件を市場競争に耐え得るようにし、またグローバルビジネスにおいて世界中から高い能力を持つ執行役を惹きつけ、確保し、かつ動機づけるように報酬内容を設計することにあります。

当該方針の狙いは、個々の基本報酬及びインセンティブ報酬がグループの業績や株主利益と整合性を保ち、個々人の業務における責任と成果が反映されるようにすることにあります。執行役に対する個々の報酬内容は直接任用される国の市場環境によって異なりますが、業績連動報酬を構成する年度業績連動報酬(年度賞与)と長期インセンティブ報酬については、グローバル方針に従い、当社グループレベルで企画、設計され、整合性が保たれるものとします。

・報酬体系及び報酬割合

(報酬体系)
執行役に対する報酬は、主に基本報酬、年度業績連動報酬(年度賞与)及び長期インセンティブ報酬からなります。

当社グループはグループ全体でマネジメントグレードを導入しており、世界的に認知されている職務評価方法であるHAYマネジメントグレード方式を使用してグループ共通尺度で職務を評価し、マネジメントグレードを決定します。マネジメントグレードは年度賞与及び長期インセンティブプランの対象者の最大支払いレベルを設定します。

報酬の種類 報酬制度の概要
固定報酬 基本報酬
  • 執行役が直接任用されている労働市場において市場競争に耐え得るレベルに設定
業績連動
報酬
年度業績連動報酬
(年度賞与)
  • 主に財務指標の達成度合いで評価
  • 中期経営計画と整合
  • 支払水準:マネジメントグレードに応じて、基本報酬の0%~125%
長期インセンティブ報酬
  • 3事業年度にわたる長期的な業績目標の達成度合いで評価
  • 年1回の策定
  • 支払水準:マネジメントグレードに応じて、基本報酬の0%~150%
  • 当該プランから得られる報酬の一部を用いて当会社の株式を取得することを義務付け
  • 株式保有目標を設定
  • マルス(権利付与後権利確定前の減額)及びクローバック(権利確定後の返還)条項を含む

(注)上記とは別に、日本における任用条件の下、退職給付制度の一環として数名の執行役に対し、2020年3月期までは株式報酬型ストックオプションを、2021年3月期からは株式報酬型ストックオプションに代えて譲渡制限付株式を、年に1度付与します

(報酬割合)
基本報酬と各インセンティブ報酬の支給割合は、一律ではなくマネジメントグレードに応じて設定しています。

<CEOの報酬支給割合>

(注)上表のとおり、割合の算定にあたっては、基本報酬、年度業績連動報酬及び長期インセンティブ報酬から割合が算定され、いずれにもあてはまらない「その他」報酬は含まれません。 また長期インセンティブ報酬における株価変動要素の影響も考慮に入れていません。

・基本報酬

基本報酬は毎年見直しをされ、グローバル企業における各国市場の概ね中位数に報酬水準を調整することを方針としています。適切な市場相場の決定にあたっては、売上高及び時価総額並びに国際化の複雑さ及び広がりといった事情を考慮しています。報酬内容の見直しにあたっては、個々人の役割の範囲、責任及び業績、会社業績の目標及び計画に対する進捗度、並びに他の管理職の昇給予定を考慮しています。

・年度業績連動報酬(年度賞与)

各執行役は、年度業績連動報酬制度(年度賞与)に参加します。報酬委員会は業績基準と適切な賞与支給条件を設定しています。当該報酬制度は、取締役会で承認された年度予算に対して挑戦しがいのある財務業績の達成目標に基づいており、またその達成目標は当社グループの中期経営計画と明確に整合するようにしております。支払水準は各々のマネジメントグレードに応じて基本報酬の0-125%の範囲となります。具体的な支給額は、あらかじめ定められた業績指標に対する達成度合に応じて決まります。

なお、新型コロナウイルス感染拡大による事業と市場への影響により、2021年3月期においては、現実的な年度賞与の目標設定が非常に困難となっており、目標を設定するためのデータの有効性を考慮しアプローチを見直し、2021年3月期の年度賞与のみ例外的な対応とします。

2021年3月期の年度末には、重要なマイルストーンの到達度及び成果を検証し、適切な支払いレベルを決定します。そのうち、成果としては、最優先事項である従業員の健康と安全、キャッシュの創出及び管理、適切な新型コロナウイルス感染症拡大対策と将来に向けた事業の準備という3つの重要な領域に焦点が当てられます。

今回の例外的な対応は前例のない事態によるものであり、当該年度のみの適用とします。

・長期インセンティブ報酬

各執行役は、長期インセンティブ報酬プラン (LTIP) に参加することができます。当該プランは、3年間にわたるグループの長期的な業績目標の達成に報いつつ、当該プランから得られる報酬により執行役が当会社の株式を取得し、所有することを求めることにより、執行役と株主の皆様との利害のさらなる一致を図ることを目的とします。年1回の策定を可能とし、したがって、いずれの時点においても効力を有するプランが3本存在することがあり得ます。

(評価指標、並びに評価ウエイト)

2018年3月期に稼働したプラン

指標 比率
EPS(1株当たり利益の累積総額) 100%

2019年3月期及び2020年3月期に稼働したプラン

指標 比率
EPS(1株当たり利益の累積総額) 50%
ROS(売上高営業利益率) 50%

(当該指標を選定した理由)

指標 選定理由
EPS(1株当たり利益の累積総額) 2019年3月期に稼働するプランから2つの指標を選定。中期経営計画との連動性があり、収益力をさらに強化し、株主価値を高めるよう経営陣を奨励することを目的として業績指標を選定
ROS(売上高営業利益率)

(報酬額の決定方法)

プラン開始年の基本報酬に算出した目標達成率を乗じて支給額を算定します。なおプランにおける各指標は均等なウエイト付けとしています。最大支払いレベルは各々のマネジメントグレードに応じて設定され、長期インセンティブ報酬の場合基本報酬の0-150%の範囲となります。

特定業績指標のエントリー値が達成されない場合、当該業績指標に対する達成率は0%となります。

各指標には、業績の最低限求められる水準を満たしていることを確実とするためのエントリー値、適切なストレッチを加えた最大値を、報酬委員会が設定・承認します。

執行役と株主の利害を一致させるべく、当該支払いは、各プランにつき、それぞれ対象となる3年間の当社株価の値動きに連動し、プラン開始直前月の月度平均株価とプラン最終月の月度平均株価の値動きに基づいて調整されます。

(株式報酬性及びマルス・クローバック)

執行役(日本に非居住の執行役を含みます。)及び他の対象者に、当該プランの手取り金額の50%につき当社の普通株式へ投資することを求めており、50%に相当する金員は、執行役による当社株式の取得のために、予め控除されます。当該株式保有により、執行役は、当社の株主としての利益を享受するとともに、引き続き株主価値向上に向けて動機づけがなされ、執行役と株主の皆様とのさらなる利害の一致が図られます。

株式保有と、株主の皆様との利害の一致をさらに促進するために、執行役ごとに株式保有目標が設定され、基本報酬に対するパーセンテージとして示されます。株式保有目標に対する進捗状況は毎年評価されます。目標レベルは市場慣行を踏まえ報酬委員会によって継続的に見直され、執行役に対する株式保有目標は現在、マネジメントグレードに応じて基本報酬の25-100%の範囲となります。

全てのプランには、マルス(権利付与後権利確定前の減額)及びクローバック(権利確定後の返還)条項が含まれています。発動要件にはインセンティブ額の根拠となる業績の虚偽や誤り、相当程度の違法行為、又はグループ倫理規範に対する重大な違反を含んでおり、当社グループはそれら発動要件の1つが発生した場合にこれらの条項を行使することができます。

④ 独立社外取締役の報酬等の決定に関する方針

目的
  • 独立社外取締役が、その監督者としての役割を適切かつ効果的に果たせるようにすること
  • そのような役割を果たすために必要な能力及び経験を備えた人材を確保できるようにすること
水準
  • 外部専門家による他社事例の調査等に基づき、適正な水準に設定*
構成及び内容
  • 基本報酬のみ
  • 年度業績連動報酬や長期インセンティブ報酬の受給資格はなし
  • 取締役会議長又は他のいずれかの委員会の委員長を担う場合、追加の報酬を受領する

(注)非独立の社外取締役が選任されたとき、その報酬は各委員会の委員としての選任の有無等、独立社外取締役の職務とのバランスを踏まえた、その職務遂行に対する適正な水準とします。