株主の皆様へ

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

ここに当社グループの第154期中間期(2019年4月1日から2019年9月30日まで)の概況についてご報告申し上げます。

第154期中間期の総括と下半期の見通し

当期上半期において、為替の変動に加え、当社グループの多くの地域で需要は弱含み、市場環境は厳しさを増しました。建築用ガラス事業では、太陽電池パネル用ガラスは堅調であるものの、一般建築用ガラスは欧米で市場環境が悪化しました。自動車用ガラス事業や高機能ガラス事業では、欧州、中国を中心とした自動車販売の減少の影響を受けました。

その結果、当中間期において、売上高は2,886億円(前年同期比6%減)、営業利益は149億円(同17%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は19億円(同79%減)となりました。下半期は、経済の先行き不透明感を背景に主要市場において減速の傾向が続くものとみています。当社グループとしては、VA*製品の一層の拡販や効率改善、コスト削減等事業構造の変革に努力していく計画です。これらを基盤として、また太陽電池パネル用ガラスと新興市場での能力増強を目的とした戦略投資プロジェクトの順次生産開始により、2021年3月期以降も業績改善に取り組んでまいります。

* VAとは英語のValue-Addedの頭文字に由来し、「高付加価値」の意味

MTPフェーズ2と中長期的な取り組み

2020年3月期までの3年間を対象とした中期経営計画「MTPフェーズ2」では、「VAガラスカンパニーへの変革」及び「財務サステナビリティの確立」を目標とし、VA売上比率の上昇や営業利益率改善が進みました。財務面でも自己資本の改善を図るとともに、金融費用の削減や普通株の復配などを実現しました。

最終年度である当期は、一転して事業環境の厳しさにより業績は減速しておりますが、上半期においても引き続き強力にコスト削減活動を進め、一部の重点事業では改善への取り組みの効果が発現しました。また戦略投資プロジェクトも早期立ち上げに向けて順調に建設が進んでいます。これらの投資や自動車分野で受注が進むCASE*に対応するVA製品が来期以降の業績に貢献してくれるものと期待しています。

さらに昨年設立したビジネス・イノベーション・センター(BIC)の増強を図り、4月に販売を開始したPicoGene®を始め、新製品・新事業の開発を推進しており、中長期の成長に向けた布石も打っています。

* CASEは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動化)、Shared(カーシェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった用語

企業価値の向上へ向けて– ESGへの不断の取り組み

当社グループは経営指針「Our Vision」において、「快適な生活空間の創造で、より良い世界を築く」を使命としています。これに基づき、長期的な企業価値の向上とともに、持続的成長可能な社会の実現に向けESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを積極的に進めています。

コーポレートガバナンスはすべての事業活動の基盤であると考えています。本年は独立社外取締役の1名増員により取締役会の過半数を独立社外取締役とし、また、役員報酬開示の拡充などに取り組みました。

環境分野では、スマートビル、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)・ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)、EV(電気自動車)等、社会の進化に対応した強みある製品の供給を通じて、環境貢献機会を追求したいと考えています。一方、自社工程からの温室効果ガスの排出については、2030年までに2018年対比で21%削減することを目指しています。この目標は本年10月にSBT*イニシアティブに認定されており、工程改善など様々な目標達成への努力を行っています。

社会の分野では、より活力ある企業を目指してインクルージョン&ダイバーシティを推進し、国籍や性別の多様性の推進や障がい者雇用などに注力しています。

* SBT(Science-based Targets)とは、科学的知見と整合した温室効果ガスの削減目標

配当について

当社は、持続可能な事業の業績をベースにして、安定的に配当を実施することを利益配分の基本方針として、継続的な配当実施に努めています。2020年3月期については、当初予想通り期末配当金について、普通株式1株につき20円を予定しています。

株主の皆様におかれましては、引き続き当社グループへのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2019年11月
日本板硝子株式会社
代表執行役社長兼CEO
森 重樹