大気への排出

ガラス溶解窯の主な排出物は、燃料が燃焼することによって、また原料である炭酸塩や硫酸塩が分解することによって発生します。ガラスの製造は、原料を高温で溶解するため、大量のエネルギーを消費します。

大気への排出

ガラス溶解窯から排出される主要な汚染物質には、高温状態の空気中で窒素と酸素から生成される窒素酸化物、重油燃料や清澄剤から発生する硫黄酸化物、溶融中に発生する揮発物由来の粒子状物質等があります。二酸化炭素は、炭酸塩の分解および燃料の燃焼の両方から発生します。

NSGグループは、様々な技術を駆使し二段構えでこれらの排出物削減に努めています。まず、特殊なバーナーの使用やカレット使用量(ガラスのリサイクル)を増やす等の注意深い原料の選択によって汚染物質を削減し、溶解窯の熱効率を向上させます。

次に、溶解窯の排ガスが煙突から排出される前に汚染物質を除去します。最近まで、稼働中の排脱設備はすべて標準技術に基づくものでした。この設備では3段階を経て排ガスから有害物質を除去します。まず、酸性ガスを除去するためにアルカリ性物質がスクラバーに注入され、次に中和反応による生成物および粒子状排出物質が電気集塵装置で除去されます。そして最後に選択的触媒還元脱硝(SCR) 装置に注入されたアンモニアを使って窒素酸化物が除去されます。

なお、NSGが建設した最新の排脱設備には、セラミック触媒フィルター(CCF)と呼ばれる最新技術が利用されています。このシステムは、一つのフィルターエレメントにつき、数千本のセラミックフィルターを有する装置からなります。アルカリ溶液を排ガスに噴霧し、その結果生じた反応生成物および一次粒子をフィルターによって収集します。この方法の斬新な点は、フィルターの繊維が金属触媒で被覆されているので、排ガスがフィルターを通過し、アンモニアがシステムに添加されると、窒素酸化物も除去されることです。CCF技術は、NSGグループの今後の排脱設備の標準になることが期待されています。

アルゼンチン初のCCF排脱設備が、NSGのVV4事業所(ブエノスアイレスのロス・カルダレス)に建設されています。NSGがこの新しい技術を採用するのは初めてではありませんが(CCF排脱設備は、既にオタワ(米国イリノイ州)とラッキー(米国ミシガン州)で稼働中)、VV4はアルゼンチンのガラス工場として初めて排脱設備を建設することになります。

VV4フロートガラス工場の建設は2019年に開始されましたが、2020年初頭に新型コロナウィルス感染症拡大の影響でいったん建設が凍結され、CCF設備の建設も凍結されました。2021年9月に建設を再開する予定で、2022年4月までにCCF排脱設備の建設を完了させることを目標としています。

写真は、フィルターモジュールが設置されることになっている鉄骨の建屋です。排脱設備は14個のフィルターモジュールで構成され、各モジュールには256個のフィルターエレメントが取り付けられています(合計3,584個のエレメント)。VV4のCCF設備は、米国McGill社がこれまでに建設した最大の公害防止設備(セラミック触媒フィルター技術)であり、この種の設備としては最大級のものです。

NOx
SOx

カレット利用で燃費効率向上と排出削減

ガラスのリサイクルは貴重な資源になります。品質が許容範囲内であれば、切り落としたガラスやカレットはすべてガラス溶解窯に戻してリサイクルされます。二次加工拠点や顧客から回収したガラスは、有用な資源です。カレットの利用には二つのメリットがあります。一つはガラスの製造に必要な原材料を削減できること、もう一つは廃材になるものを廃棄せずに済むことであり、これによりリサイクル循環を実現しています。

原材料の10%にカレットを利用すると溶解窯のエネルギーを3%削減でき、その結果CO2排出量の削減につながります。NSGグループの工場の一つでは、カレットを100%利用してガラスを製造しました。

省資源化のため、NSGグループの各工場では、継続してガラスやカレットの回収およびリサイクルを推進しています。埋め立て処理は最後の手段です。NSGグループ内の工場で再溶解できないガラスは、可能な限り外部業者にリサイクル処理を依頼しています。