エネルギー

エネルギー使用

NSGグループは、ガラスのライフサイクルを通してサステナビリティに貢献するため、すべての工程におけるエネルギー使用量を最小限に抑える活動を継続的に行っています。

詳細はNSGグループ エネルギーポリシーをご覧ください。

NSGグループのエネルギー使用

環境とコストに配慮し、ガラス溶解用の燃料には引き続き可能な限り天然ガスを使用しています。溶解窯は重油からガスへ転換中であり、暖房設備とバックアップ用発電機には少量のディーゼルとLPGが使用されています。消費の詳細は、グラフをご覧ください。

エネルギー使用量

■ 天然ガス
■ 重油
■ 電力
データはこちらを参照下さい。

エネルギー使用量およびCO2排出量削減の取り組み

エネルギーおよびカーボンマネージメント

すべての取り組みは、半年に1回開催されるエネルギーおよびカーボンマネージメント委員会で各事業部門長および本社の各部門長によりその進捗が確認されます。

エネルギーおよびカーボンマネージメント責任者チーム

製造、エンジニアリング、購買および研究開発を含む主要部門の上級管理職がチームとなり、すべてのエネルギープロジェクト活動を連携させることで、NSGグループのエネルギーおよびカーボンマネージメントプログラムに最大限取り組みます。

エネルギーおよびカーボンマネージメントパイロットプラント

パイロットプラントでは、より効率的かつ効果的なエネルギー使用によってエネルギー消費量とCO2排出量を大幅に削減するプロジェクトを実施しています。この取り組みはグループ全体に展開しており、27を超える事業所で行われています。これらの事業所におけるエネルギー消費量はNSGグループ全体の85%を超え、またCO2排出量は75%を超えています。

これらのパイロットプラントでは、工場長のリーダーシップの下、さまざまな分野のメンバーからなるチームが本社部門の積極的なサポートを受けながら活動しており、外部サプライヤーも広範囲に活用しています。1,000件以上のプロジェクトが実施済みまたは進行中です。

操業エネルギー効率化プロジェクト

オペレーションコスト削減(OCS)プログラムは、直接費用および間接費用も含めたあらゆる事業経費の削減を目指すものです。グループの主要な直接費用の一つはエネルギー費用です。

全事業所におけるコスト削減活動をサポートするため、OCSデータベース内のエネルギーに関するプロジクトが定期的に詳細に分析されます。その中からエネルギー消費量およびCO2削減ならびに費用節約につながる複数のプロジェクトが策定され、2021年3月期に水平展開されました。2021年3月期において、グループの各製造拠点に少なくとも1つのOCSエネルギープロジェクトが実施されました。

製造革新部が主体となり、他の本社部門の支援も得て、160件を超えるエネルギー最適化の機会を特定し、結果として1年で30千トンを超えるCO2削減につなげることができました。

主なプロジェクトとしては、溶解窯の燃料燃焼最適化、モーターの電力必要量削減、圧縮空気システムの最適化、エネルギーサブメーター、照明の省エネ化、燃料転換、コジェネレーションプロセス、廃熱およびエネルギー回収等に関するものがあります。

2021年3月期を通じて、エネルギー管理を目的とするIndustry 4.0やIoT(Internet of Things: モノのインターネット)の取り組みが推進されました。これには、エネルギー消費およびCO2排出量の最適化を目標としたエネルギー測定等のプロセスデータの分析も含まれます。この分析はまた、エネルギー浪費箇所の特定や料金の管理などの新規プロジェクトの策定もサポートします。

NSGは、ガラス産業の脱炭素化ロードマップの推進に積極的に取り組んでおり、英国その他欧州の ガラス業界にこれらのロードマップを公開しています。 この活動は、ガラス産業において利用可能な既存技術の応用や新技術の開発をサポートし、NSGグループの各事業所に対してこうした技術の導入を推奨しています。

2020年3月期は、稼働中の溶解窯の修理に際してエネルギーおよび炭素効率に重点を置いたプログラムが立ち上げられ、今期もその運用を継続しています。窯の修理に加えて効率改善のための具体的な目標が設定されました。このプログラムはいくつかの窯の修理で実施済みで、稼働期間(少なくとも15年間)を通じて大幅な効率改善が見込まれます。

研究開発活動

CO2排出量の削減と溶解窯で使用するエネルギーの安定供給を確保することは、NSGグループの事業継続の基盤となるものです。設備投資を最小限に抑えるために、短期的に段階的な技術変更の実施が必要になります。

2018年に立ち上げられたProject Carbon 2050は、フロートガラス製造工程におけるCO2排出量を2050年までに大幅に削減するために必要な技術、課題、投資額を明らかにする脱炭素化ロードマップの策定および実施をサポートしました。2021年3月期中のこれらのR&Dプロジェクトの統合的活動において、グループの戦略的中期経営目標(RP24)およびより長期的な科学的根拠に基づくCO2削減目標(SBT)の実現に寄与する主要テクノロジーアプリケーションがますます重視されるようになりました。

そのようなプロジェクトの一つが、フロートガラス製造工程における低炭素代替燃料としての水素利用に関するものです。NSGグループは、英国のセントヘレンズにあるグリーンゲート工場で、水素エネルギーを利用した実証実験を行っています。これは世界初の試みであり、産業、一般家庭および交通機関により排出される炭素の削減を目標としたイングランド北西部の産業コンソーシアムHyNetの運営するプロジェクトの一環です。ガラス製造の主燃料である天然ガスと重油の代替エネルギーとして水素を利用するもので、NSGグループは転換可能な水素の比率を調査しています。仮に天然ガスをすべて水素に転換できれば、CO2排出量は約80%削減されます。この取り組みは、英国政府の工業燃料転換プログラムから520万ポンドの補助金を受けており、2021年9月に最初の実験が行われました。

エネルギー管理システム

ドイツ、イタリア、フィンランドのすべての工場、および自動車用ガラス事業部門のエンジニアリング部門は、エネルギー管理システムの国際規格であるISO 50001認証を取得しています。サブメーター(ハードウェアおよびソフトウェア)導入の投資により、エネルギー消費について高いレベルの透明性が確保され、改善活動や目標設定および頻繁な見直しを通じた高度なエネルギー計画の立案が可能になりました。

省エネルギー機会創出プログラム

英国のすべての製造事業所は、英国政府の省エネルギー機会創出プログラムに継続して参加しています。現在、フェーズ2にあるこのプログラムは、英国政府によるEUエネルギー指令第8条へのコミットメントと関連しています。グループの事業業所は公認外部監査人によって、実行可能な省エネプロジェクト活動を明らかにするための査定を受けます。エネルギー消費データの検証や事業所のエネルギー監査が行われ、その結果は英国の経営責任者の承認を受けて推奨事項として公開されます。このプログラムで省エネの機会として認められた多くの取り組みは、英国で実施されただけでなく、他の地域でも展開されています。同様のプログラムは、EUおよびその他の国々においても義務づけられたり、または自発的に実施されており、実際に多くの事業所が参加しています。

事業所内での再生可能エネルギーの生成と代替燃料

2020年にグループは、認定された再生可能エネルギー電力(購入および/またはオンサイト発電による)の割合を、2018年の基準消費量に対して50%に増やす目標を(CDPへの回答を介して)発表しました。

この目標に向けて、当期はいくつかの具体的なプロジェクトが開始され、大きな進展がありました。 これには、欧州、米国、アジア地域の国々で認証された再生可能エネルギー電力(再省エネ電力証書)の購入が含まれます。 また、オンサイト発電についても継続的な調査および投資(社内設備投資または第3者機関による資金調達方式による)を行っています。

英国レイザムの研究開発センター敷地内に設置された太陽光発電設備は、2020年以降フル稼働しており、センターの年間電力需要量の30%以上を賄っています。米国ノースウッドの研究開発センターでは、敷地内に太陽光パネルを設置し、センターの年間電力需要量の約7%を賄っています。またドイツのヴァイハマー工場でも、建物の屋根と駐車場跡地に太陽光パネルを設置しています。また、米国オハイオ州にあるロスフォード工場では、新たな自家発電設備への投資を行いました。 この施設は2021年中に稼動する予定です。さらに、マレーシア、日本、その他の地域でも、オンサイト発電プロジェクトを検討中です。

NSGグループは、事業全体にわたって代替となる低炭素または再生可能エネルギーの評価および利用を継続しており、例えば廃棄物を原料としたバイオ燃料の利用により、溶解窯のCO2排出量を年間8千トン削減しています。また、欧州のフロート事業所の一つでは、持続可能なバイオ由来の液体燃料を利用した実験計画もあります。

サプライヤーと連携した省エネプロジェクト

主要サプライヤーと協力して、製造拠点のエネルギー消費量を削減するプロジェクトを継続して進めています。特定技術分野のトップ企業との密接な協力体制を通して、個々のエネルギー管理問題に対して最適な解決策を実行しています。具体的には、蓄電システムを活用した電力需要ピーク時の電力消費削減、高効率コンプレッサーへの切り替えによる省エネ、高効率モーターの設置、フロートガラス製造工程で発生する廃熱の再利用など、サプライヤーと協力してさまざまな省エネプロジェクトを進めています。

北米のコリングウッドに設置された蓄電システムは、エネルギーストレージ開発企業であるConvergent Energy社との共同による初めてのこの種のプロジェクトとなります。このプロジェクトでは、電力需要ピーク時に工場の送電網への接続が切り離されます。カナダのオンタリオ州では、ピーク時に必要なエネルギーを供給するために天然ガス発電所が利用されています。今回のプロジェクトは、ピーク時におけるオンタリオ州の発電量負担を5MWh軽減することができます。

従業員のエネルギー効率意識

費用節約とCO2排出量削減に貢献するNSGグループのエネルギー管理研修プログラムは、世界中で継続的に展開されています。このプログラムは2016年に開始され、すでに欧州、南米、日本および東南アジアの全事業所に展開されています。

最初は、各事業所のエネルギー管理に秀でた従業員が中心になって、エネルギー意識の向上、エネルギーおよび炭素管理プロジェクト活動の継続を支援する「バックトゥスクール」の取り組みを行いました。この研修の主な狙いは、参加者にエネルギー管理の取り組み方や自分たちの事業所で実施可能な活動を明らかにする方法を理解させ、それを周囲の人々に広めるよう促すことです。

2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症の大流行とそれに伴う世界的な旅行制限の影響下でこのプログラムを継続して実施するために、遠隔ラーニングソリューションを開発する必要がありました。新たなエネルギー・チャンピオンを育成し、前回までの参加者に再教育を行うために、複数のトレーニングセッションが個別に開催されました。これまで研修には65人を超える従業員が参加し、250を超えるプロジェクトが策定、実施されました。

エネルギーの節約額は約1億円を超え、2,500トンを超えるCO2の排出を削減しました。

この研修は3つのレベルに分かれており、レベル1では50時間をかけてエネルギー管理のあらゆる側面についての研修を受けます。このコースは現地のファンクションチームのサポートを受けて開催され、NSGグループの気候変動部長であるデビット・キャストが主導しました。現場のエネルギー管理活動をサポートする内容となっており、修了者には正式な資格が与えられます。コースの費用は、これらの参加者がエネルギー費用削減プロジェクトを考案し、実施することで回収されるように設計されています。

レベル1の修了者は、適宜各自の役割に応じて、レベル2および3の資格取得を目指して外部機関のエネルギー管理研修に引き続き参加するよう奨励されます。現在までに、グループ全体で複数の従業員が、レベル3の修了資格を得ています。

実施されたプロジェクトの例:

  • LED照明への交換・管理
  • 従業員のエネルギー意識改革キャンペーン(例、「電源オフ」活動など無駄なエネルギー使用の回避)
  • モータードライブのインバーター制御化
  • 溶解窯およびボイラーの燃焼設定の最適化
  • 日常業務におけるエネルギー「ミニ監査」(5S活動)

完全に脱炭素化したNSGのセッティモ事業所

イタリアのセッティモ・トリネーゼにある自動車ガラス事業部門の工場は、NSGグループで初の完全脱炭素化事業所になりました。2020年4月から、この工場は、認定された再生可能電力と地域暖房ネットワークの組み合わせによって提供される再生可能エネルギーのみで運営されています。これにより工場のCO2排出量は年間1,650トン削減されます。これは約2,400本の植林、または道路を走る車の約1,000台の減少に相当します。

ポーランド事業での熱回収

ポーランドのフミエロフにある自動車ガラス事業部門の工場では、さまざまな製造工程で発生する廃熱を回収して利用する4段階のプログラムが開始されました。ステージ1と2では、工場の空気圧縮機から発生した熱を回収しこれを再循環させます。ステージ3では、空調機から発生する廃熱を利用して、合わせガラスの前処理工程用クリーンルームに清浄な空気を送ります。ステップ4では、ガラス曲げ炉に熱回収装置を設置し、この熱を使って工場の暖房用温水を沸かす予定です。このプロジェクトによってもたらされる総エネルギー節約量は年間2.5GWhを超え、これにより熱エネルギー生成の結果排出されるCO2を500トン以上削減することができます。

レイザム太陽光発電プロジェクト

NSGグループおよびライトソースBP社は、英国ランカシャー州レイザムにある欧州研究開発センターに2.3MWの太陽光発電設備を設置しました。この設備は開発センター施設の年間電力需要の30%を賄うと予想されています。

このプロジェクトの策定および出資はすべてライトソースBP社によって行われ、NSGグループの資本投資は必要なく、建設中に日常業務への支障はありませんでした。ライトソースBP社との買電契約(PPA)を通じて、NSGグループはクリーンで再生可能な電力を購入しています。定率の指数連動型料金設定とすることで将来の価格変動をヘッジし、これにより25年の契約期間にわたってオペレーションコストを削減します。

このプロジェクトは、その設備自体がグループ製品のPRになることから、ライトソースBP社とNSGグループの双方にとってとても重要です。採用されたソーラーモジュールは、NSGグループの顧客である米国ファーストソーラー社から調達したものです。ソーラーモジュールに組み込まれたガラスの研究開発は欧州研究開発センター自らが実施しており、同センターは自身の研究成果によって発電された電力で運営されることになります。

また、太陽光発電設備の設置は電力コストを削減するだけではなく、NSGグループのサステナビリティの取り組みを示す上でも重要な役割を果たします。このプロジェクトは、毎年推定848トンの炭素排出量を削減することにより、炭素削減目標の達成を支援します。これは、乗用車180台分のCO2削減に相当します。

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