垂井事業所における自主的土壌・地下水調査結果および今後の対策について
垂井事業所は、環境問題への対応を最重要課題と認識し取組みをしてきております。
長年使用していますトリクロロエチレンにつきまして1998年より自主的に事業所内の土壌・地下水汚染調査を実施し、1999年より浄化対策を実施しております。事業所外の地下水につきましては、2001年から採取可能な3箇所で調査を行っており環境基準を超える濃度は検出されておりませんが、事業所内の地下水の一部に環境基準を超える濃度が検出されておりますことから、本日、岐阜県西濃振興局環境課および垂井町に調査結果と今後の対策の報告を行いました。今後につきましては、行政のご指導のもと自主的な浄化対策を進めて参ります。
1. 垂井事業所の概要
岐阜県不破郡垂井町630 |
45,500m² |
1959年 |
約140人 |
自動車バッテリー用セパレーターの製造、販売 |
2001年 |
日本板硝子株式会社が日本無機株式会社を買収(100%子会社化)
垂井事業所の一部を株式会社マグに譲渡。 |
2004年 |
日本無機(株)の垂井事業所を日本板硝子株式会社に吸収(会社分割) |
2. 調査結果
2.1 土壌調査結果
場内において、「土壌ガス調査に係る採取及び測定方法」、「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置の技術的手法の解説」に準拠して調査を行いましたところ、土壌汚染は確認されませんでした。
表1.ボーリング調査結果(2008年7月15日~9月12日)
項目 |
分析検体数 |
基準値超過検体数 |
分析結果
(mg/l) |
環境基準値
(mg/l) |
132 |
0 |
不検出~0.026 |
0.03以下 |
132 |
0 |
不検出~0.004 |
0.04以下 |
132 |
0 |
不検出 |
0.02以下 |
2.2 地下水調査結果
使用しているトリクロロエチレンにつき、場内16本の井戸で調査しましたところ、環境基準を超過する地下水がありました。
表2.地下水調査結果(2008年10月測定)
項目 |
分析検体数 |
基準値超過検体数 |
分析結果
(mg/l) |
環境基準値
(mg/l) |
16 |
8 |
0.004~0.132 |
0.03以下 |
3. トリクロロエチレン使用
バッテリー用セパレーターの一種であるポリエチレンセパレーター製造過程において、油を含浸させたポリエチレンシートから油を抽出する目的でトリクロロエチレンを使用し、また回収・再利用しています。ポリエチレンセパレーターは、1980年、垂井事業所(当時、日本無機(株)垂井工場)で開発着手、その後1986年に生産開始しました。
※バッテリー用セパレーター:電極と電極の間に入れる隔離板
4. 汚染原因と再発防止について
汚染原因については、開発期間、生産初期に何らかの原因でトリクロロエチレンが地下に浸透したものと推測しておりますが明確に判明しておりません。
再発防止については、トリクロロエチレンを使用する設備を防液堤で囲いエポキシ樹脂塗装を施し地下浸透を防止しています。
5. 今後の浄化対策
君津システム方式により極めて軽微な汚染箇所を特定し、汚染地層深度帯に減圧吸引井を設置しトリクロロエチレンを吸引除去するとともに、帯水層基底深度に残留する汚染地下水を揚水除去する計画です。
汚染箇所特定のための調査 |
11月末完了 |
減圧吸引設備の設置、揚水設備の設置 |
12月末完了予定 |
浄化完了時期について
汚染箇所につきましては、1年を目処に浄化を完了する予定です。地下水につきましては、1年を超える可及的速やかな期間に浄化を完了する予定です。
- (注)君津システム方式とは
- 千葉県君津市役所が、開発・実証した地質汚染調査浄化に関する技術です。地質汚染浄化の基本は汚染機構解明調査にあるとし、詳細・正確な調査により汚染箇所をピンポイントで特定することで、効果的な浄化手法が適用でき、完全浄化を可能とします。
【本件に関する問合せ先】
日本板硝子株式会社
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垂井事業所 総務部
担当:小林 功
TEL:0584-22-1101 |