安全・衛生

NSGグループの安全プログラムは、グループのビジョンとバリューに重点を置いています。すなわち、人材が最も大切な資産であり、従業員の安全と業務を行う上でのコミュニケーションは、グループの事業精神の中核となるものです。

詳細はNSGグループ 安全衛生ポリシーをご覧ください。

従業員の重大災害度数率

■ 重大災害度数率 (SIR)
■ 重大災害割合 (%)

安全組織と戦略

NSGグループの安全衛生を統括するサステナビリティ統括部長は、森重樹社長兼最高経営責任者(CEO)の直属になっています。

安全実績の最新データを毎月オペレーショナルパフォーマンスレビュ―会議に提供するとともに、半年ごとに4つの事業部門の部門長とグループファンクションの部門長で構成されるシニアオペレーションチームで、より詳細な安全実績のレビューを行います。これらのレビューは毎月開催されました。

全ての労働災害は回避可能と考えられます。NSGグループでは、どんなに小さな事故でも全て報告し、適切な調査を行い、それらの災害から教訓を学んでいます。重大災害率が所定の値を上回る事業所は、特に重点的に追加のサポートや定期レビューの頻度を増やして対処しています。

2021年感染症の世界的大流行

2021年は、ビジネスのマネジメントのやり方がかつてないほど変化しました。感染症の世界的大流行により、NSGグループは、急速に変化する状況に対応するためのプロセスと人材管理のスキルを開発する必要がありました。グループはまず、事業を展開している各国の要件を満たすことを最優先し、そのためのベストプラクティスを世界中で開発・共有することに注力しました。従業員またはその代表、経営陣、協力会社、サプライヤーなど、全ての人が協力して、安全の確保に努めました。

安全実績

安全性の向上において特に取り組んできたのは、リーダーシップ(特に第一線のリーダーに焦点)、Safety 4 Ways、高リスク作業の管理の主要な3つの領域です。これらの3つの領域を包括したNABIS(NSG安全文化改善戦略)と呼ばれる安全活動を通じて、NSGは積極的に安全対策を推進しています。

リーダーシップ

事業のあらゆるレベルのリーダーは、現場巡視などの制度を利用して、様々な改善について現場リーダーやチームと話をする時間を増やすことなどにより、目に見える形で行動に表すことで、リーダーシップを示すように求められます。最近では、それぞれの現場に合わせた新型コロナウイルス感染予防対策の実施が加わりました。

全てのリーダーは、10の主要なリーダーシップ行動と照らして自身の行動を評価することを求められています。そして、リーダーがチームに模範を示して指導することや、危険な行為について当事者に指摘することなく見過ごしてはならないといった一連の原則に照らしてチームをレビューすることが必要になります。

リーダーには、チームのメンバーが割り当てられた職務を遂行する上で、決められた手順や安全規則に従うようにさせる責任があります。リーダーは、業務を適切に遂行するためのメンバーの能力について、継続してレビューを行うことを求められます。

従業員とリーダーによる双方向のブリーフィングやより正式な安全会議などの定期的な機会を通じて、安全に関するコミュニケーション方法を改善していくことは、災害に対する予防的または対応的な安全対策に関する明確な情報を共有する上で重要です。こうした活動は新型コロナウイルスの蔓延により困難に直面しましたが、離れたチームとのコミュニケーションを維持するために革新的な方法が工夫され、また事業所ではソーシャル・ディスタンスなどの規則に従って作業が行われています。

全てのリーダーは、効果的にコミュニケーションプロセスを確保するよう求められます。従業員教育は、顧客サービスの基本要素でもあります。従業員が安全かつ倫理的に業務上の責任を果たすための手段と能力を確実に身につけられるように、教育の必要性や能力に関する継続的なレビューと情報の更新が必要です。リーダーはNABISを通じて、安全の観点からチームのメンバーが業務遂行に必要な正しい知識を得られるようにすることを求められます。

工場の安全について積極的に関わるよう従業員に求めることはリーダーの責任の一つであり、NABISでは、チームのメンバーが安全に関するプロジェクトに参加する機会を提供するよう、リーダーに求めています。当社の大規模工場の多くで実施されている、安全に関する提案スキームやカイゼン活動への参加などです。

NABISの2つ目の要素は、Safety 4 Waysと呼ばれる以下の4項目です。

  • 安全改善活動(SIP)-災害につながる条件や作業を計画的に改善する活動を通じて、安全を阻害する要因やリスクを減らす。
  • 重大ヒヤリ(IHPS)-全ての災害や事故を批判的に見つめ直し、一歩間違えばどうなっていたか、重傷や死亡事故につながる可能性はなかったかを問い、発生した要因を細かく分析して予防策を講じる。
  • 重要安全行動(KSB)-頻繁なフィードバックを通じて、どのようにしたらリスクのある行動を減らし職務を遂行することができるかに重点を置いて取り組む。
  • 年間重大災害度数率(SIR)-最優先で対応する安全指標。

SIRは、治療を必要としたり、就業継続のために配置転換が必要な負傷を記録するもので、労働時間20万時間当たりの発生件数で表されます。2021年3月期のSIRは0.25を維持しました。

最後に、NABISでは、リーダーは高リスク作業に関する管理を求められます。

NSGグループは、高リスク作業削減プログラムの推進と安全ツールの拡充に真摯に取り組み、以下の分野に継続して重点的に注力しています。

  • 転落の危険がある場所での作業
  • 車両と歩行者の安全
  • 機械安全:ガード、FASS*、アイソレーション(エネルギー遮断)
  • 協力会社の安全(許可証含む)
  • 重量物の運搬:ガラスの移動、安全な積み荷の搬送、吊り用クランプ、台車、パレット
  • 業務上の運転全般

*FASS (Frequent Access Safety System)は、インターロック等で装置を部分的に停止させる仕組み。

NSGグループの大規模工場に関するNABISへのコミットメントは、検証プロセスを実施することにより世界中で強化されてきました。これは、大規模工場から提出された自己評価スコアについて、グループ内のEHS専門家がレビューを行うものです。このプロセスは、工場のリーダーシップ・パフォーマンス・レビューの一部となっています。

2021年3月期を通じて、NSGグループでは、全ての従業員がNABISプロセスに関わるという目標の達成に向け、NABISプロセスの小規模工場および事務所環境への導入計画を推進しました。

小規模工場向けNABIS:このNABISは、メインのNABISツールの項目をそのまま利用します。ただし、小規模工場向けNABISでは、より小規模な事業における業務上および管理上の異なる要求事項を考慮します。

事務所向けNABIS:このNABISは、製造機能を持たない間接部門や業務部門のためのものです。本社部門が特定したリスクに焦点を当てて、リーダーはチームを改善活動に参加させることを求められます。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により、2021年3月期はNABISの導入や会議などが本社部門とのMicrosoft Teamsによるオンライン・ミーティングを通じて実施されるようになったため、その拡大スピードはやや鈍化しました。

根本原因の分析を向上させることは、グループの改善戦略の基本的な部分です。事故や災害の原因を特定することによってのみ、グループのオペレーションを長期的に改善することができます。この改善に向け、重大災害(SI)および重大ヒヤリ(HPS)の報告プロセスに5Qプロセスを導入しました。事業所は質問事項に従い、事業部門の地域リーダーに長期的な改善活動に関する情報を報告しなければなりません。

2022年3月期において、SIおよびHPS報告の改善をさらに促進するため、NSGグループではグローバルな報告システムであるAIRSWEBを最新版のNSG AVAへと変更します。この更新により、工場では現場での問題の報告、考えられる改善策についてのレビューおよびその時点の従業員との議論、そして記録を一か所で行うことができます。さらに、このシステムにより完了までのアクションの追跡がより容易になります。AVAの報告プロセスには、上述の5Qシステムが含まれます。

NSGグループ安全の日

NSGグループ安全の日が2020年10月に開催され、メンタルヘルスと健康の促進に焦点が当てられました。今回で10回目となった安全の日は、新型コロナウイルス感染症を防止しながら、多くのこれまでとは異なるツールを駆使して、革新的なやり方で完了しました。世界中の工場で組織の全ての階層に向けて、メンタルヘルスの問題に関する意識向上のための情報が発信され、教育が実施されました。第11回目の安全の日は2021年10月に開催予定です。多くの国で新型コロナウイルス感染症対策が実施されているなか、安全に対する挑戦は続きます。NSGグループは引き続き厳重な感染症対策を施した上で、安全の日の活動に挑戦していきます。

安全を次の段階に進めるために

安全に関する戦略は、従来通り安全管理ツールとプログラムの有効性改善に焦点を当てています。従業員とリーダーは、以下の取り組みを通じてさらに高い水準の安全性を達成していきます。

  • より一貫性のある取り組みの推進、安全に関するスキルの向上、教育内容の改善を目的として、環境安全衛生部門による安全管理ツールの独立監査を実施します。出張の制限が続いているため、これらの監査はMicrosoft Teamsを使ったリモートレビューに移行しました。
  • 安全文化を継続的に変革する手段として従業員の積極的な参加を推進します。
  • グループ全体の安全に関するリーダーシップ水準向上のため、第一線の現場監督者の能力をさらに強化します。
  • 2022年3月期に大規模事業所の安全文化を評価するための文化調査ツールを開発し、いくつかの事業所で同年度中にトライアルを完了。2023年3月期にはグループ全体に展開する予定です。