TCFDの要求項目
- 短期、中期、長期にわたって特定された気候関連のリスクと機会
NSG グループのアプローチ
当社グループでは、短期(1~2年)、中期(2~4年)、長期(5年以上、通常15年まで)の気候変動に関連するりクスと機会について、次の3つの主要シナリオに従ってリスク分析を行い、2100年までのタイムスケールにおける物理的リスクと移行リスクを特定しています。
- 低炭素世界シナリオ (<2°C) – 低炭素経済に移行を目指し、今後30年間に炭素排出量を抑制するための積極的な緩和策を講じるシナリオ
- RCP 4.5 中位安定化シナリオ (2-3°Cの温度上昇) – 現在の政策、誓約、目標が達成されることを想定した、中間的シナリオ
- RCP 8.5 高位参照シナリオ (>4°C) – 物理的リスクを回避するための施策をほとんど何も行わず、排出量を増やし続けた結果、世界の気温は大幅に上昇し続け、壊滅的な結果を迎えるシナリオ
特定されたリスクと機会には、次の影響が含まれます。
- 現在の規制(例、欧州エネルギー指令)に関連する高性能製品を供給する機会、新規規制(例、運用コストの増加リスクにつながる新たな排出量取引制度(ETS)、高性能省エネ製品を共有する機会につながる新たな欧州建築排出量取引制度(ETS))
- 技術開発(例、EV市場の成長、省エネルギー建築物市場の成長)
- 法令遵守 - 将来のコンプライアンスに対応するためのリスクとコスト、より高性能な製品要求に関連する機会、NSGの競争力のある製品開発
- 市場(例、顧客による建物/自動車の効率化につながる仕様に基づく製品開発の機会)
- 社外からの評判(例、顧客等のステークホルダーからの評価に関連するリスク)
- 突発的物理的リスク(例、洪水、台風リスク)が事業とバリューチェーン(供給継続性)に与える影響、特定の製品開発の機会(防風窓ガラスなど)
- 慢性的物理的リスク(例、現在及び将来の事業やバリューチェーンに影響を及ぼす海面上昇等)
特定されたリスクと機会は、当社グループの標準的なリスク管理フレームワークに従って定量化と分類、優先順位付けを行っています。それには、ポリシーと法的側面、技術側面、市場側面、評判の側面における影響も含みます。昨年より、欧州CSRD等の法規制の追加や、生物多様性、循環性、地域社会への影響といったステークホルダーの視点からも分析の見直しを行っています。この新たな分析に基づき、NSGグループの次期中期計画が策定されます。
◆年間影響と移行リスク可能性の評価範囲 – 低炭素世界シナリオ下での長期的視野(2035年)における残留リスク
◆影響度や緊急度が高いリスクの例
上記情報の開示媒体
CDPレポート 2023 C2.1 - 2.4
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