歴史的に、ガラス製造業の各社は、独自技術による差別化を図ることが最大の成長戦略であったため、ノウハウは門外不出であり、共同開発から新しいものを生み出すという発想が生まれにくい業界でした。
現代の世界では、気候変動とグローバル化の課題に加えて、開発のペースと技術の変化により、歴史的な働き方はもはや持続可能ではありません。 企業はさまざまな視点を持ち、変化する世界に迅速に対応する必要があります。 その結果、NSG グループの研究開発部門は、大学、技術力のある新興企業、主要なグローバルビジネスパートナーとの生産的かつ協力的なパートナーシップを構築しています。
共同開発の例は次の通りです。
PHYSEE
PHYSEEとの共同開発は、新興企業と様々なレベルでどのように協力できるかを示す好例です。
オランダにおいて、窓の製造工程にデジタルセンサーを組み込むことから始まった交流は、その後、太陽エネルギー変換効率を最大化するための先進的な薄膜コーティングに関する科学的な共同研究に発展しました。
両社は、共同開発を通して互いに学び続けています。NSGグループは、ハイテク新興企業の視点やイノベーションの姿勢から学んでいますが、PHYSEEはグローバル素材製造ビジネスのやり方の知見を得ています。
PHYSEEは最近、オランダ商工会議所によりオランダで最も革新的な会社に選ばれました。
発光コーティング付きのガラスを備えたこの太陽電池は、実験では太陽光を受けて再発光しています。NSGグループの研究員とPHYSEEの共同開発により、このPHYSEE PowerWindowの変換効率が改善しました。
リバプール大学
NSGグループは、KCMC(Knowledge Centre for Materials Chemistry)の主導のもと、リヴァプール大学およびハーツリーセンターと、協力関係を結んでいます。この協力は、次世代の透明導電性材料を加速的に開発することを目的としています。
機械学習による新材料探索と最適なスーパーコンピューターを駆使して、新しいガラス組成の素早いスクリーニングを行います。その中で有望な材料は、完全な分析を行うために、成膜し種々の実験によって評価されます。
このKCMCが主導するパートナーシップは、EPSRC(工学・物理科学研究評議会)とSTFC(科学技術施設評議会)からの資金サポートによって支えられており、専門知識、や主要ツールおよび技術の提供によりプロジェクトを通して学界をサポートします。
ソフトウエアで作成した透明な導電性材料の結晶構造例
NSGグループは リヴァプール大学のMaterials Innovation factoryの博士課程の学生たちをサポートしています。
Catherine Eagle, Tom Beesley, Luke Skilander, Rory Back (NSG R&D), Prof Matt Rosseinsky, Federico Ottomano, Dr Su Varma (NSG R&D), Dr Troy Manning and Anna Krowitz
(左から右へ)
オハイオ州の工場に透明ソーラーウインドウを設置
NSGグループは2019年5月に、透明な太陽光発電パネル技術のリーダーである米ユビキタスエナジー(Ubiquitous Energy)社と透明ソーラーウインドウの共同開発に合意したことを発表しました。
両社はユビキタスエナジー社のUE Power™技術を使った透明な建物一体型太陽光発電(BIPV)窓を共同開発し、この度、その試作品がアメリカ合衆国オハイオ州にある当社グループの工場に設置されました。当社の米国R&Dチームは、この窓の計画から設置まで重要な役割を果たしており、今後とも風速、露光量、外気温などのデータ収集を行うなど継続的なモニタリングをサポートします。
技術革新の長い歴史を有する当社グループは、BIPV技術やユビキタスエナジー社との共同開発を通して、お客様や建物居住者に貢献し、未来の建物に期待されるニーズにこたえていくことを目指しています。
詳細はこちら(英語のみ)をご覧ください。