リスクマネジメント
基本的な考え方
当社グループは、経営指針「Our Vision」と整合し「中期経営計画(MTP)フェーズ2」に沿って、持続的成長による企業価値の向上を目指しています。一方で、当社グループを取り巻く事業環境はますます複雑でダイナミックな変化を見せています。この様な当社グループの事業目標の達成に影響を及ぼす内部、外部要因による不確実性をリスクと捉え、マイナスの影響を最小化し、プラスへの結果を最大化するため、重要なリスクについて識別、評価し確実に管理するリスクマネジメントは重要な経営基盤の一つと位置付けています。
そして、適切なリスクマネジメントをグループ全体に体系的かつ組織的に展開することで、事業目標の達成はもとより、事業戦略の遂行を確実なものにしたいと考えています。なお、当社グループのリスクマネジメントは、会社法に基づき取締役会で決議された「内部統制システム等に関する基本方針」に準じています。企業活動上発生するリスクへの具体的対処については社内規定「リスクマネジメントに関するグループポリシー」を制定し、国際規格ISO31000「リスクマネジメント–原則および指針」との整合性も確保しています。
推進体制
当社グループのリスクマネジメントは、経営会議のもとに、戦略的リスク委員会とエンタプライズ・リスク・マネジメント(ERM)チームからなる二層体制を敷いています。

CEO以下の執行役等をメンバーとする戦略的リスク委員会はCEOを委員長とし、執行役の中から最高リスク責任者(CRO)を選任しています。
戦略的リスク委員会は全社的リスクマネジメントに関するフレームワークを決定し、それに基づき、当社グループに重大な影響を及ぼし得ると評価されるハイレベルリスクとSBUや各ファンクション部門において管理すべきリスクについて分別した上、その対応措置の現況についてモニタリングを行い、不備のある場合は対策を要請します。ハイレベルリスクについては戦略的リスク委員会においてリスクオーナーを定めてリスク情報の収集、対応策の進捗について管理しています。
CROは、戦略的リスク委員会の全ての会合を主宰し、また本委員会を代表し、当社グループの内部統制の基本システム及びリスクマネジメント体制の有効性等について経営会議及び監査委員会に対し、定期的に報告を行いそのレビューを受けています。2020年3月期は戦略的リスク委員会は3回開催し、経営会議、監査委員会には1回ずつ報告しました。
ERMチームはCFOを委員長とし、メンバーである各事業部門長および経理・財務・人事といったファンクション部門長から構成されます。毎年それぞれの業務の遂行に付随するリスクについて識別、評価、優先順位付けを行い、必要なリスク低減策を講じることでリスクマネジメントの実効性の向上を図っています。その活動について、戦略的リスク委員会に定期的に若しくはその要請に応じて報告しています。
内部監査部門は、このような全社の効率性に関し、独立した立場からアシュアランスを提供する役割を持ちます。
また、リスクの共有として、「NSGグループ保険に関するポリシー」を制定し、自然災害による損失等のリスクを把握し、戦略的リスク委員会の監督の下、グローバル保険プログラムにより、毎期、包括的な保険付保をグループレベルで実施し、若しくは見直しています。
当社グループが主な対象とするリスク
2020年3月期において戦略的リスク委員会がモニターする重要なリスクについて、リスクの識別、評価、優先順位付けを行い、以下の表の通り選定しました。各リスクのリスクオーナーには担当執行役を決め、責任を持って適宜適切に対処していきます。
リスク名称 |
- 事業継続リスク
- サプライヤーに起因する出荷契約不履行
- サイバーリスク
- 重要顧客の競争力喪失
- 経済情勢リスク
- 財務リスク
- 人材不足
- コンプライアンスリスク
- 技術革新の動向把握と対応
- 事業戦略リスク
- 品質に関わるリスク
- 法令、規制の新設変更に伴うリスク
- 知的財産リスク
- 変化に迅速に対応できる組織風土
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事業継続リスクについて
事業継続リスクに関しては、BCM(事業継続管理)の一環として、重大な事故や大規模災害等の発生に備え、「NSGグループ事業継続ポリシー」及び「重大事故管理ガイドライン」に基づき、各事業所に重大事故管理チームを組織し、事業所ごとに重大事故管理計画を作成してきました。2013年以降、主要事業所から優先順位をつけて包括的なBCP(事業継続計画)の作成とリハーサルを進めています。