環境貢献製品

NSGグループは、「環境」を当社の重要な経営課題の一つととらえ、企業の持続的な成長とサステナブルな社会の実現に貢献することを目指しています。当社独自の価値ある商品・サービスをタイムリーに提供することで、気候変動や生物多様性など重要な社会課題の解決に貢献します。

建築用ガラス

当社の建築用ガラス製品は、エネルギー効率の向上やCO2排出量の削減に極めて重要な役割を果たしています。それに加えて、防火、防音、安全・防犯、プライバシー、装飾、セルフクリーニングなどの先進的な機能も提供しています。

詳細は建築用ガラス事業(英語サイト)をご覧ください。

当社の建築用ガラスは、その優れた性能を通じて、建物のエネルギー効率向上やCO2排出量の削減に重要な役割を果たしています。このような製品を通じて環境や社会的課題に貢献することは、当社の重要なビジネス機会に繋がると捉えています。こうした取り組みを促進する目的で、サステナビリティ・コミュニケーション・プラットフォーム「makechange™ 」を新たに立ち上げました。このプラットフォームを通じて、サステナビリティに関する当社のメッセージを発信し、積極的な変化に向けた当社の情熱とコミットメントを共有・共感して頂くことを推進しています。

以下、このプラットフォームを通じてプロモーションを行う、当社の事業による貢献(サステナビリティと製品)の一例を紹介します。

NSGグループのオンラインコーティング能力拡大

ファースト・ソーラー社のソーラーパネルとNSGの透明導電膜(TCO)付きガラスに対する世界的な需要の高まりに応えるため、当社グループは、2024年3月期第3四半期にマレーシアのジョホール・バルにあるフロートガラスの生産ラインの転換を成功裏に完了しました。これにより建築用および自動車用製品からTCOコーティングガラスへの生産設備の転換が行われました。

米国オハイオ州ロスフォードにあるグループの別のラインの建築用および自動車用フロートガラスの生産から太陽電池パネル用ガラス専用設備への転換は、2023年9月に開始され、2025年1月に稼働を開始しました

これらのプロジェクトは、ファースト・ソーラー社のソーラーパネルによるクリーンな太陽光発電の拡大により、NSGグループが世の中のCO2排出量を削減する取り組みをさらに支援するものです。これらのプロジェクトでは、当社製品の輸送に関連するCO2排出量を削減するために、顧客の施設に近接していることが重要な考慮事項となります。

ステークホルダー・インタビュー

ファースト・ソーラー社

ファーストソーラー社の写真です

ファースト・ソーラー社のリサイクル戦略

NSGグループが提供するTCOコーティングガラスの最大顧客の一つであるファースト・ソーラー社は、薄膜太陽電池パネルの製造・販売を行う世界のトップメーカーです。一般的な結晶シリコンと異なりCdTe半導体を用いる同社の太陽光電池パネルは、CO2排出量が最も少なく、また最もエネルギーペイバックタイム(EPT)*が短いことから、現在上市されている太陽光電池パネルのなかで最も環境効率が高いという特徴があります。

さらに、ファースト・ソーラー社は、継続的な技術改善への投資により、リサイクルのコストを引き下げており、包括的なライフサイクル管理への取り組みが評価されています。同社の、環境への影響を避けるためのパネルリサイクル戦略について話を伺いました。

ファースト・ソーラー社のモジュールは、使用済み(エンドオブライフ)時の材料回収を最大化し、モジュール材料の90%以上を再利用のために回収することで、価値の高いリサイクルが行えるように設計されており、新たなソーラーパネル、ガラス、ゴム、アルミニウム製品に用いることのできる高品質な二次資源を提供しています。

ほとんどの太陽光電池パネルのリサイクルプロセスは、ガラスやフレームなどの高質量材料の回収(すなわちバルクリサイクル)だけに焦点を当てていますが、ファースト・ソーラー社の高付加価値リサイクルプロセスは、新しいモジュールに使用するためのクローズドループの半導体回収も提供しています。

ファースト・ソーラー社は、グローバルな自社太陽光電池パネルのリサイクル能力を持つ唯一の太陽光発電メーカーとして、また15年以上にわたって世界的かつ産業的規模で高価値の太陽光電池パネルリサイクル施設を運営してきた経験により、太陽光電池パネルリサイクルにおいてユニークかつ長年にわたるリーダー的地位を確立しています。ファースト・ソーラー社は責任ある製品ライフサイクル管理の重要性を認識し、2005年に業界初のグローバル・ソーラーパネル・リサイクル・プログラムを設立して以来、リサイクル技術の向上に投資してきました。

ファースト・ソーラー社の最高サプライチェーン・オフィサーであるマイケル・コラレウスキー氏は、次のように述べています。「私たちは、地球、地域社会、そしてお客様に対する責任を長い間理解しており、持続可能性をすべての行動の中心に置き、業界基準を満たすだけでなく、それを超える努力をすることを誇りに思っています。この哲学が、レスポンシブル・ソーラーへのコミットメントと、リサイクルを含むその中核的側面の原動力となっています。」

*エネルギーペイバックタイム: ライフサイクル中に投入されるのと同じだけのエネルギーを、発電によって節約できるまでに必要な稼働期間のこと

持続可能な都市とコミュニティ

NSGグループでは、お客様の環境パフォーマンス向上に役立つ製品を設計・開発しています。

当社のLow-Eガラス製品を採用することで、室外からの日射の侵入を低減、空調エネルギー負荷を削減するとともに、室内からの熱損失を防ぎ、CO2排出量の削減に貢献します。

日射の侵入を防ぐ

NSGは、遮熱効果のある幅広い製品を提供しています。例えば、Pilkington Solar-E™は、オンラインコーティングLow-Eガラスで、優れた遮熱性能を備え、反射が少なく、日差しをやわらげ、熱の放射を抑えます。

Pilkington Solar-E™

Pilkington Suncool™シリーズは、当社で最高性能を誇るオフラインコーティングLow-Eガラス製品群です。

Pilkington Suncool™

暖房負荷を軽減する断熱ガラス

当社は、暖房負荷を軽減する断熱ガラスの提供により、世界中の住宅や建築物で省エネルギーに貢献します:

NSG Spacia™はNSG独自の真空ガラスで、一般的な複層ガラスの2倍以上の断熱性能を有しています。また、薄型設計のため、溝幅が狭い既存住宅・建築物のサッシにも、ガラスのみの交換でそのままご利用いただけます。

NSG Spacia™のイメージ図です

Pilkington Optitherm™は、オフラインコーティング製法で製造される高性能Low-Eガラス製品群で、省エネ効果を求められる複層ガラス向けに開発されました。

Pilkington Optitherm™の写真です
Pilkington Optitherm™

NSGグループは、環境改善のために技術革新に取り組み、将来の課題に対応する製品をお客様に提供しています。

適切なガラスソリューションがあれば、どの家もさらに快適でスマートになります。

HomeComfortの革新的なガラスは、あらゆるニーズに適した環境を作り出します。温かく快適な温度を維持し、騒音を遮断し、屋外からの明るさや暗さを選択できます。私たちは、屋内と屋外の世界をつなぎます。スマートで贅沢な静けさを、見て、感じて、体験してください。

HomeComfortファミリーは、住宅所有者のための究極のソリューションを提供します。LuxComfortは強い日差しと心地よい日陰の両方を実現し、空間を簡単に調整することができます。また、DynamicComfortは必要な時に遮光することで、居住空間の不要な熱を大幅に削減する持続可能な低エネルギーソリューションを提供します。

NSGグループでは脱炭素化に向けた取り組みを加速し、より持続可能な方法で製品を生産する事業への転換を目指して努力しています。

2022年に英国の製造拠点で天然ガスの代替として水素とバイオ燃料を世界で初めて試験的に使用し、成功を収めた後、当社は、新しい建築用ガラス製品「Pilkington Mirai (ピルキントン・ミライ)」を発売しました。Pilkington Mirai™は、当社の持続可能性への取り組みにおける一歩に過ぎません。詳細は「市場で最もエンボディドカーボンが低いガラス」を参照ください。

NSGグループは最近、Glass Futuresおよび政府産業エネルギー転換基金(IEFT)助成金と共同で投資を行い、英国で2つのラインを持つガラス溶解炉を更新し、型板ガラスとフロートガラスを同時に生産できるようにしました。2つのラインを稼働させる代わりに、アップグレードした炉で全てのガラスを生産することにより年間8,800台の車と同等のCO2排出量削減効果があります。

脱炭素化への取り組みにおいて、当社の「makechange™」という理念は、包括的な文化を継続的に受け入れるよう導くのに役立ちます。また、環境問題に対応する製品を設計し、同時に製造プロセスの改善を実現することで、イノベーションを促進し、持続可能な未来の実現を目指しています。

生物多様性の保護

近年の気候変動を背景に、生物多様性の保全と促進はより重要な世界的テーマとなっています。中でもガラスへのバードストライクは今や世界的な問題となっており、野鳥保護はドイツをはじめとする多くの国々で重要な社会的課題として認識されています。ドイツでは公共スペースの入札において、鳥に優しい構造が求められることが多くなっています。当社は、鳥がガラスに衝突するのを効果的に防止するための革新的なガラスソリューションとしてPilkington AviSafe™を開発・設計しました。紫外線を反射する特殊パターンによりコーティングされた完全に透明なガラスは、鳥にとっての安全性と人間の目にとっての視界の確保を両立させています。外部機関によるテストでも性能の高さが評価されています。当社の技術を活かし、人間と動物が共存できる社会を目指します。

ステークホルダー・インタビュー

マイケル・シェア

フラッハグラス・マルケンクライスGmbH*社長・協同組合理事会会長

“Pilkington AviSafe™は断熱、日射調整、防鳥、遮音等をはじめ、美観面・機能面で求められるあらゆる要素を1枚の複層ガラスで実現することができるため、地球温暖化防止に貢献するとともに、何百万羽もの鳥の命を救う可能性がある製品です”

*欧州最大のガラス加工業者および複層ガラス企業の団体の一つ

建築物における脱炭素化への貢献

建築物における脱炭素化への貢献は、当社の中心的な事業の一つです。当社のガラスコーティング技術は、機能性、優れた美観、持続可能性を兼ね備えた優れたガラスを生み出し、現代建築の設計に革命をもたらしました。

先進的なガラスおよびガラスソリューションの世界的リーダーとして、当社は、エネルギー効率の向上と「グリーンビルディング」への要求の高まりに応える製品を継続的に開発しています。

ブラジルの建築からインスピレーションを得た有機的でダイナミックな住宅用ビル、ベレンベルク・タワー「イパネマ」は、ドイツのハンブルク北東部で、KBNK Architectsにより波打つような形状で設計されました。約6000m²のピルキントンサンクール™トリプル・インサレーション・ガラス・ユニットが、高性能の遮熱ガラスと低放射ガラスを最適に組み合わせた革新的なファサードに設置されました。建築におけるガラスの使用が増えている中、Pilkington Suncool™製品群は、空調設備の初期投資とランニングコストの削減にも役立ち、建物におけるCO2排出量を、年間を通じて削減します。

Pilkington Suncool™
Pilkington Suncool™
Pilkington Suncool™

環境に優しく美観に優れたエネルギー発電設備への貢献

建材一体型の太陽光発電設備(Building-integrated photovoltaics、以降略してBIPV)は、建築物に組み込まれ、かつ再生可能エネルギー由来の電力を発電する材料として機能するように設計された建築部材です。Pilkington Sunplus™ BIPV ウインドウとPVスパンドレルソリューションは、従来の発電設備に比べて、環境に優しく美観に優れるかたちで、建築物の窓ガラスに再生可能エネルギーによる発電機能を提供することを可能にします。

2023年5月から7月にかけて、当社はENEOSホールディングス社、東日本旅客鉄道株式会社、YKK AP株式会社と共に、高輪ゲートウェイ駅構内で米国ユビキタスエナジー社が開発した透明な太陽光発電窓パネルを使用した実証実験を行いました(米国ユビキタスエナジー社はENEOSの出資先で、当社が共同開発を展開中)。当社は今後とも、「地球にやさしい環境」を創造する製品を提供していきます。

市場で最もエンボディドカーボン*1が低いガラス

2023年10月23日、私たちは新しい建築用ガラス製品「Pilkington Mirai™(ピルキントン・ミライ)」を発売しました。この製品の製造プロセスにおけるCO2排出量の削減効果は、その後、ガラスファサード市場で現在最も低い値の52%*2であることが第三者機関によって検証されました。 私たちは、一連の技術的な世界初の取り組み、卓越した部門横断的なコラボレーション、そして持続可能性に対する包括的なアプローチを通じて、Pilkington Mirai™ にたどり着きました。Pilkington Mirai™ は、将来の課題に対応する製品群を提供します。シンプルでより持続可能な代替品であるこの製品は、建築デザイナーが、持続可能な未来に向かって、彼らのプロジェクトにおけるカーボン・インパクトを改善することを可能にします。中でも、ドイツ最大の建設会社の一つであり、当社のパートナーでもあるツブリン社(Züblin社)のZ2プロジェクトは、画期的なプロジェクトです。ツブリン社は、本社ビルにPilkington Mirai™を採用することで、持続可能な建築への取り組みを体現しています。当社の新しい低炭素ガラス製品群のようなソリューションをいち早く提供することは、NSGグループの使命である「快適な生活空間の創造で、よりよい世界を築く」の中心的な役割を担っています。

*1:製造プロセスにおけるCO2排出量

*2:環境製品宣言(EPD; Environmental Product Declaration)における、当社の標準的なガラスと比較

renew:glass

昨年、私たちは「makechange™」という戦略的プラットフォームを立ち上げました。これは、ポジティブな変化をもたらすための私たちの情熱と取り組みを社内外に伝えることで、当社の持続可能性に関するメッセージを共有し、ビジネスをサポートすることを目的としています。

makechange™は、3つの柱で構成されています。Embrace Change(変化を受け入れる)、Design for Change(変化のためのデザイン)、Deliver Change(変化を実現する)です。これらの3つの柱は、社内ステークホルダーと社外のオーディエンスに対して、当社のさまざまな持続可能性に関する活動や取り組みを、すべての機能にわたって一貫した方法で整理するのに役立ちます。

今年、私たちは新たなmakechange™ 活動であるrenew:glassを通じて、お客様やパートナーの皆様が当社と協力してガラスをリサイクルする機会を提供することで、当社のサステナビリティへの取り組みをさらに強化しました。

1トンの使用済みガラスをリサイクルすることで、約700kgのCO2e排出量を削減することができますが、世界でリサイクルされるフロートガラスの割合は1%未満です*3。私たちはこの活動により、循環型ガラス経済への移行を促す変化を起こし(makechange™)、埋立廃棄物となるガラスの量を減らすことができます。renew:glassの取り組みを通じて、パートナー企業とともに、フロートガラスの責任あるリサイクル量を増やし、リサイクルガラスに新たな命を吹き込むことを目標としています。当社の renew:glassの取り組みは、環境への責任に対する当社の取り組みをさらに強化し、持続可能な未来に向けた大きな一歩となります。

*3:世界経済フォーラム「建築環境における循環性:CO2削減とビジネスチャンスの最大化」,2023年

自動車用ガラス

近年、自動車業界では、電動化により温室効果ガスの排出低減に配慮したエコカーの重要性が高まっています。また消費者の需要も変化しており、環境にやさしい自動車を好む傾向がより強まっています。こうした動きと並行して、自動車に占めるガラスの面積の割合は、流れるような形状、外部からの視認性の向上、内装の軽量化、乗員と環境との相互作用の拡大といった、デザイン、安全性、スタイリング等の理由により、大きくなっています。NSGグループの優れたプレス曲げガラス成形技術とソーラーコントロール製品は、このような電動モビリティ化へのシフトによる車両設計の大きな変化に十分に対応しうるものであり、クリーン・モビリティに向けた世界の潮流をサポートしています。

詳細は自動車用ガラス事業をご覧ください。

自動車用ガラスにおける資源循環の取り組み

自動車業界では、カーボンニュートラル目標に関連する環境問題として、近年特に、循環型経済への移行の要求が高まっており、リサイクルへの取り組みが積極的に進められています。

「製品の開発から出荷」までの自動車のカーボンフットプリントにおける自動車用ガラスが占める割合は5-6%であり、全体において無視できない割合となっています。リサイクルガラスは溶融炉内でガラス原料(バージンマテリアル)よりも溶融しやすく、リサイクルガラスを用いることにより自動車全体のカーボンフットプリントをより低減することができます。そのため自動車メーカーは、自社の脱炭素化ロードマップ達成に向けて、これまでのCO2排出量削減に加え、ガラスメーカーにリサイクル性や脱炭素化に関する目標を設定し始めました。これは、特に欧州での法改正に対応したものでもありますが、将来的には他の地域でも追随することが予想されます。

NSGグループでは、中期経営計画の4つの「D」の一つである「Decarbonization(脱炭素化)」に沿って、リサイクル性やリサイクル率の高い素材の使用に関して、自動車業界のお客様の要求に応えるべく、さまざまな取り組みを進めています。

リサイクル率の高い素材

NSG グループでは、リサイクル率の高い材料を提供することで、CO2排出量の削減とバージンマテリアルの使用量削減という2つのメリットを享受できるよう、サプライヤーと緊密に連携しています。リアクォーターやリアガラスなどのエンキャップに使用する材料の一部は、すでに検証済みです。現在、車両にフロントガラスを取り付けるのに役立つフロントガラス用仕上げ剤の検証を進めています。これらの材料は、質量の50%以上がリサイクル材料でできており、部品のカーボンフットプリントを最大20%削減できると期待されています。機能性、耐久性、美観の点で、現在の材料と同じ基準を満たしながら、手頃な価格であることが最も重要です。

S : Standard Material
G : Green Material
*:標準的なバージン材との比較(サプライヤーソース)

廃車からのガラスリサイクル

NSGグループはポスト・コンシューマー・カレット(ガラス/車両の寿命終了後に生成されるカレット)について、独自に、または自動車メーカーからの支援を受け、複数の地域でさまざまな取り組みを開始しています。使用済みフロントガラスから得られるカレットの供給源を見つけ、当社のフロート窯に投入して新しい自動車用ガラスを生産できるようにしています。自動車用のガラスには高い品質が求められるため、当社が使用するカレットは「清浄度」に関して非常に厳しい検査を受けることが不可欠です。R&Dチームでは、再利用した際に自動車用ガラスの光学品質を達成し、かつ生産や設備に悪影響を与えないよう、カレットを「清浄」にする条件について詳細な仕様を設定しています。

*1カレットの工程/物流は未考慮。CO2排出量の削減に関して最大の利益を得るためには、カレットの供給源をできるだけフロートの近くに持つことが重要。

低放射率オンラインコーティングガラス

近年は各国でのカーボンニュートラル規制対応のためCO2排出量の低減がより重要課題となっています。これによりHEV*、PHEV*、BEV*の市場ニーズが拡大しており、燃費・電費の向上が求められています。フロントドアガラスは暑い夏には車内に太陽の熱を伝えてしまい、室内の温度上昇により冷房の負荷が高まってしまいます。この課題解決のために高い遮熱性能を持つNSG独自のコーティング技術で解決することができます。夏場の厳しい環境下でも冷房の使用量の抑制に貢献し、車両のエネルギー効率を高めるエコ製品です。

紫外線も99%以上カットし、インストルメントパネル、シートなど内装部品の劣化をより抑えることができ、地球環境に優しい製品です。また、当社製品は業界でも屈指の高い耐久性を有し、ガラス交換不要のメンテナンスフリーで長くお使い頂くことが可能です。

ガラス技術で省エネに貢献

排気ガスが出ない電気自動車は、よりクリーンな移動手段を提供します。

NSGグループのソーラーコントロールおよびLow-Eガラスは、省エネ向上のために建物で広く使われおり、同様の効果を自動車に提供することができます。

NSGグループの自動車用ガラスは、太陽からの赤外線を吸収、あるいは反射することにより先進のソーラーコントロール性能を提供します。車内に入る熱エネルギーを制御することで、エアコン使用量に直接影響を与え、余分なエネルギー消費およびCO2排出量を削減することができます。

低放射率オンラインコーティングガラス

近年需要が拡大しているバッテリー電気自動車では、重いバッテリーを車体の床下に配置する必要があることから、車内ヘッドスペースを確保し且つパノラマビジョンを楽しめる、大面積のルーフガラスが多く採用されています。大きなガラス面積を使用することの弱点は、暑い夏には車内に太陽の熱を伝えてしまい、寒い冬にはせっかく暖房で温めた車内の熱を車外に放射してしまうという、素材に起因する熱負荷の高さにあります。このようなルーフガラスの課題は、高い遮熱・断熱性能を持つ低放射率コーティングの利用により解決することができます。低放射率コーティングは、乗客の快適性を高め、車内空調のエネルギー効率を向上させるのに理想的な特性を持ちます。NSGでは独自のオンライン化学蒸着フロートガラスコーティング技術を活用してガラス上に低放射率コーティングを形成します。

当社は長年にわたり、高精度のフロントガラスや大面積のルーフガラスに適したガラス成形技術(APBL, Advanced Press Bending Lamination)プロセスを開発してきました。APBLと低放射率コーティングを組み合わせることにより、車両にフィットする優れた寸法形状制御と高品質の反射光学特性を備えた、大面積の低放射率ルーフガラスの提供が可能となっています。

夏⇒ガラスが吸収した熱の車内への放出を抑制

冬⇒車内の熱を反射し、車外への放熱を抑制

アンテナ一体型グレージング

モバイル通信、データ処理、ディスプレイシステムの急速な進化に伴い、運転体験はますます地域と地球環境の両方と結びついています。電子通信の急速な進化に伴い、電磁スペクトルのさまざまな部分が開発・利用され続けています。ガラスは可視光線を透過する性質があるほか、ラジオ波タイプの通信用周波数に対しても透明です。このガラスが持つ電子的な特性は、1970年に日本でAM/FMがフロントガラスにデザインされたときから、NSGのアンテナエンジニアによって活用されていました。その後、アナログTV、電話、XM衛星ラジオ、デジタルTV、DABなど、技術の進歩に伴い、より多くのシステムをシームレスに車両に組み込むことが求められるようになり、より空力的なデザイン、より少ない組み立て部品、より低い部品コストを実現するために、ガラスにデザインされるようになりました。NSGは、日本とドイツにアンテナ設計能力を有し、将来のお客様のご要望にお応えするための施設を備えています。

先進運転支援システム

V2X無線センサーやV2N 5Gアンテナのガラスアンテナは、先進運転支援システム(ADAS)の進化をサポートします。車両とその周辺環境との接続は、主に衝突を回避することを目的としており、この分野の開発は、世界中の法律によって裏付けられています。精密測位、レーダー(長距離、低照度)、カメラ(物体の識別)、ライダー(中距離評価)、超音波(短距離)の組み合わせが増え、計算能力の向上と相まって、ADASの成熟を可能にします。

車内の安全システムがより高度な運転支援機能へと進化するにつれ、動作に必要な主要周波数において透明であるグレージングがますます重要な役割を果たすようになっています。レーンキープアシスト、インテリジェントスピードアシスト、物体認識などの機能は、最適な視野を提供するフロントガラスに取り付けられたカメラシステムによって提供され、理想的な場所として選択されます。カメラビジョンウインドウの設計、精密成形、ブラケット接着はNSGのコアコンピタンスであり、この成長市場要件に対応するための完全な能力を備えています。

赤外線反射ガラス

NSGグループのコーティングフロントガラスは、30%以上の太陽熱エネルギーを反射します。これは一般的なガラスの5倍以上です。より大きなガラスを設計されることの多い、新世代の自動車に特に高い効果を発揮します。

また、フロントガラス用の赤外線反射塗料に加え、ルーフライト用の低放射率塗料を併用することで、自動車の快適性やエネルギー効率をさらに向上させることが可能です。NSGでは、この2つのコーティングの組み合わせを採用したビジネスを展開しています。

NSGテクノロジー、世界初のフルAR HUD+太陽光反射技術をラグジュアリークラスに搭載

NSGグループは、メルセデス・ベンツとのパートナーシップにより、メルセデス・ベンツSクラスのヘッドアップディスプレイに、拡張現実(AR)技術を搭載したことを発表しました。さらに、拡張現実ディスプレイと連動させるために、目に見えない熱でフロントガラスを冷却する太陽熱反射技術が開発されました。

また、業界初の試みとして、先進運転支援カメラシステムをリアガラスの一部として開発・導入し、モバイル体験をさらに向上させています。

NSGは、先進的なガラス技術への継続的な投資により、急速に進歩する運転支援システム技術から生まれるお客様のニーズの拡大に対応する体制を整えています。今回のメルセデス・ベンツSクラスの発売は、NSGグループが自動車用ガラス市場において、現在および将来のお客様のニーズに応えるためにグローバルに取り組んでいる一例です。

2021年 メルセデス・ベンツ Sクラス

写真提供 メルセデス・ベンツ・グループ・メディア

遮熱・遮音・赤外線反射の合わせガラス

メルセデスSクラスのフロントガラス、サイドガラス、リアガラスには、遮音膜が貼られています。また、赤外線を反射するガラスを使用しているため、外からの騒音に加え太陽光をも遮ることができます。

軽量ガラス

自動車における軽量化はCO2排出目標の達成や電気自動車の航続距離の拡大に貢献します。ガラスのソーラーコントロールおよび防音性能を保ったまま、飛び石などによる破損リスクを高めることなく、最大で40%の軽量化が達成可能です。

クリエイティブ・テクノロジー

ガラスは、軽く、強く、燃え難く、絶縁性および耐薬品性があるハイテク素材です。

当社の高機能ガラス事業では、顧客製品の進化に貢献する独自の素材開発を行い、多くの市場セグメントに亘って製品の省エネおよび持続可能性の向上に寄与しています。

例えば、今後の環境改善に向けた高強度・高耐熱・高弾性のガラス繊維や、長年当社で培ってきたオプティクス領域では、プリンター用レンズを初め、光通信や製品の不良削減に寄与する自動光学検査装置向けのガラスレンズやディスプレイ向けの高強度の薄板ガラス、高速通信への流れに対するデジタル関連領域では、低誘電特性を持つガラスフレークや多様な光通信デバイス向けのガラスレンズ等があります。

詳細はクリエイティブ・テクノロジーをご覧ください。

ガラスフレーク®

ガラスフレーク®は様々なガラス組成による鱗片状フィラーで厚みはサブµ~数µ、粒径は数µ~数十µと幅広いラインナップを有しています。その用途は多岐に渡り、優れた耐酸性を活かし洋上風力発電用塗料の寿命延長や極薄且つ小粒径品がエンジニアリングプラスチックの軽薄短小化に貢献しています。また、昨今の高速通信のニーズでは、伝送損失を低減するために、部品に低誘電率特性が求められています。ガラス組成の検討により、低誘電特性を両立する製品開発にも成功しました。

ガラスビーズ

化粧品の原料にも使われているマイクロプラスチックは、海洋汚染への影響が問題視されています。NSGでは、マイクロプラスチックビーズの代替材料としてご使用いただける球状ガラス「GLACIA DROPS®」を開発しました。NSGの新しい技術で生まれた本製品は、無機物でありながらも柔らかい触感を持つことが特徴です。不純物の少ない原料から作られており、肌への安心と環境への安全を提供する化粧品用粉体として、活躍の機会が広がっています。

高強度ガラス繊維

MAGNAVI®は、環境配慮の製品開発コンセプトのもとで誕生した製品であり、航空機、自動車、一般作業用資材など様々な用途での樹脂補強用繊維として、高い評価が得られています。

レアアースフリーの組成、生産時のエネルギー使用・CO2排出量も削減する、等の特徴に加えてその優れた強度や弾性率と、さらにカーボンファイバーと比べても高い耐衝撃性により、薄肉化・軽量化を通して、資源とエネルギーの節約、CO2の排出量軽減に貢献できます。

LPH

LPH(LED Print-head)は、LEDプリンターに用いられるプリントヘッドであり、当社のSLA(SELFOC Lens Array)はこのLPHに用いられる世界で唯一のレンズ製品です。

LPHでは、各LED素子の発光をSLAを介して感光体ドラム上に照射することで、高速で高画質なプリントが可能となります。LPHを使用するLEDプリンターは、光学系がよりシンプルなため、大幅な小型化、軽量化が可能となり、省電力化にも貢献します。

また、小型化、軽量化のメリットを生かし、モバイルフォトプリンターやラベルプリンターへの用途展開も進んでいます。

写真提供:富士フイルム株式会社

LEDプリンターに搭載されるLPH

当社は、お客様のプライバシーを尊重しています。

当サイトでは、サイト利用状況の分析、アクセス履歴に基づく広告表示、ソーシャルメディアとの連携(いずれもオプション)、およびコンテンツの利便性向上(必須)の目的でCookie(クッキー)を使用しています。

「全て同意」をクリックすると、Cookieの使用および関連する個人データ利用に同意することになります。また、「必須のみ同意」をクリックした場合、必須Cookie以外のCookie利用を拒否することができます。Cookieの設定は、当社のCookieポリシーにアクセスし、いつでも変更することができます。

詳細については、