原材料

責任ある材料の調達

NSGグループは、天然資源を持続可能な方法で使用するという国連の「持続可能な開発目標12」の要件を満たすことを目指しています。

NSGグループは、可能な限り廃棄物の発生を防止し、廃棄物発生時の悪影響を軽減するため、リサイクルやリユースに取り組んでいます。私たちは、経済に流通している製品、部品および材料の価値を保ち続けることを目指しています。

NSGグループにとっての主要原料は自然界にある鉱物である。そのため、鉱物の調達にあたり、自然環境と生物多様性の保護・改善に努める義務を負っている。

全ての材料・物質について、その環境リスクに応じた責任ある管理を行う。グループが責任を負う土地すべてについて、責任ある管理を行う。(NSGサステナビリティポリシーより)

NSGグループは原材料の使用を承認する前に監査プロセスを実行し、その材料がガラス製造における使用要件を満たし、グループの倫理的調達方針に準拠していることを確認します。採掘または採石された材料の場合は、サプライヤーが採掘・採取権を有し許可を得ていること、修復計画があること等を確認するため現場を訪問します。

有害化学物質を定期的に監視し、その最小化と安全利用に努め、また材料の再利用・リサイクルを推進する。

当社グループの顧客およびサプライヤーに協力を呼びかけ、環境に関する優れた取り組みを推進し、ガラス製造・加工・梱包・納入の過程で使用するガラスおよびその他の資材の効率的な利用・再利用・回収・リサイクルを推進する。(NSG環境ポリシーより)

ソーダライムガラスの製造に使用される主な原材料は、珪砂、ソーダ灰(天然または合成)、ドロマイト、石灰石、長石、ぼう硝、およびカレットです。カレットは、ガラスの製造・加工および使用済み部品の回収など、さまざまな形で発生する粉砕ガラスです。NSGグループはSBT(科学的根拠に基づく温室効果ガスの削減目標)達成に貢献するために、未使用の原材料を使う代わりに、粉砕したガラスカレットの再利用を増やす努力を継続します。

板ガラスの製造には、「Drive Sustainability* Material Report」で懸念される材料として言及されている添加剤が少量使用される場合があります。このような物質としては、酸化鉄、酸化チタン(天然および合成の両方の形態)、コバルト(より危険性の低いCo3O4形態で)、およびセリウムが含まれ、これらは特別な用途向けにガラスに必要な光学特性を与えます。NSGグループはこれらの添加剤の使用を可能な限り最小限に抑えており、またこれらはすべて上記のように倫理的に調達されます。

*Drive Sustainabilityは、環境と社会双方の分野で自動車業界のサステナビリティを推進するために、世界大手自動車メーカー10社によって設立された新たなパートナーシップ。

ガラスの合成中、すべての原材料は約1,550℃の窯の中で相互に反応して、新しい単一成分のガラスを形成し、その際窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、CO2のようなガスを排出します。

2022年の購入量(単位:千トン)

NSGグループが使用する原材料の大部分は第三者サプライヤーから供給されますが、NSGグループはLochaline Quartz Sand(スコットランド)、MI Tunisia(チュニジア)およびViCo(ベトナム)の少数株式を所有しており、またMelfi(イタリア)の採砂場を100%所有しています。Melfiは、グループが消費する砂の量の5%を供給します。

イタリア、メルフィにある採砂場跡の修復と生物多様性

NSGグループは、イタリアのポテンツァ地方メルフィにある採砂場を所有し、運営しています。この採砂場は、オファント川が流れる山岳地帯に位置します。

この露天掘り鉱山で砂岩を地表から採取し、破砕・粉砕装置によって粉砕してシリカ砂を生成し、イタリアの他の場所にあるNSGグループの事業所でこれを溶融してガラス製造に用います。

砂を洗うためにオファント川から水を引き、洗浄工程を経た粒子が沈殿した後、水は川に戻されます。採砂作業から出た不要な天然物と洗浄工程から出た沈殿物は、修復のため採取跡地に埋め戻されます。修復を終えた場所には、生物多様性への影響を最小限に抑えるために、周囲の生息環境に合わせた樹木やその他の植物が植えられます。どの様な植物を植えるかは、地元自治体の専門家と十分相談した上で決定します。

メルフィ採砂場修復のための埋め戻し
メルフィ採砂場跡地への植林
メルフィ採砂場の修復により、景観・生物多様性上の影響を最小限に。

ガラスのコーティング、合わせガラス、複層ガラス、自動車の付加価値コンポーネントおよび高機能ガラスの製造には、より少量の化学薬品と材料が使用されます。

詳細は「ガバナンス」セクションの「紛争鉱物」を参照してください。

NSGグループのマネジメントシステムは有害物質を特定し、可能な限り有害性の低い代替物を使用するようサプライヤーと協力しています。研究開発部門は、有害物質を排除するために積極的に製造方法を改良しています。例えば、最近ではガラスの着色添加剤であるニッケルの使用を止めました。ガラスは製品として使用中は化学物質を必要としません。使用済みとなったすべてのガラスは、再利用のために適切に分別されれば、カレットとしてリサイクルできます。

2019年、NSGグループは、すべての原材料を監視し、関連するスコープ3のCO2排出量を事業所およびグループレベルで報告および追跡できるようにする新しい環境報告ソフトウェアを導入しました。サプライヤーの積極的な関与は、これらのスコープ3排出量を測定し、最終的に削減するのに役立ちます。当社の原材料は、可能な限り輸送時のガス排出量を削減するために現地で調達されます。

梱包用材料

欧州では、NSGグループのガラスの多くは、梱包せずに顧客と共用のスチール製パレットに積んで輸送し、大きな素板ガラスの輸送には専門の「フロートライナー」が利用されます。私たちは大量の再生可能な木製梱包材を使用しており、サプライヤーと協力して再利用可能な梱包ユニットをデザインしています。デューデリジェンスを実施して、木材の供給源が合法で持続可能なものであることを確認します。

ポリマービーズは、製造現場間の輸送中にガラスを引っかき傷から守るためのシールドリリース剤として使用されます。NSGグループの調達および研究開発チームは現在、輸送時の代替緩衝材を開発するためにサプライヤーおよび大学と協力しています。

生物多様性の取り組みに対するWWFジャパンから表彰

国際的な環境保全団体の世界自然保護基金(WWF: World Wide Fund for Nature)の日本支部WWFジャパンが2015年に行った生物多様性について先進的な取り組みを行っている上場企業を独自の視点で表彰する「ビジネスと生物多様性勝手にアワード」において、日本板硝子(株)は梱包材にCoC認証を求めていることが高く評価され、特別賞の「山椒の実賞」を受賞しました。

受賞理由は次の通りです。(WWFジャパンのプレスリリース(2015年2月19日)から引用)

「梱包材は事業活動の周辺領域に位置づけられるものではあろうが、環境負荷が特に高いサプライヤーの特定を行うにあたり対象とする購買カテゴリーとし、同社では木製梱包材に使用される木材について サプライヤーにCoC認証を要求している。使用絶対量も木材を事業の主要領域で使用する企業と比べてれば決して多くはないはずだが、梱包材を利用する側からのCoC認証の取得要請は、梱包材生産側に対するインパクトが大きく、看過できない影響力を持つ。信頼できる認証制度の利用において、原産地で認証を取得しているだけでなく、サプライチェーンを通じてCoC認証の連鎖を繋げることが非常に重要な意味を持つ。同社の取り組みは、評価対象とした企業の中では他に見られず、独自性・自主性にも富む活動である。」

日本板硝子(株)では、今後も生物多様性を含む環境課題への取り組みを続けてまいります。


WWFジャパンからの表彰状授与

「ビジネスと生物多様性勝手にアワード」
東京証券取引所第一部上場企業1,818社を対象にWWFジャパンが独自の視点で調査を行い、生物多様性の取り組みを評価された9社が表彰されました。

「CoC(Chain of Custody)認証」
責任ある管理がなされた森林からの由来のものであること及びサプライチェーン全体を通じて適切に管理されていることを消費者に保証する制度です。

当社は、お客様のプライバシーを尊重しています。

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