水
水の利用とマネジメント
ガラス製造において水は主に冷却のために使用されますが、ほとんどの工場では水循環システムが稼動しているため、補充のみが必要になります。また、工場内でガラスを洗浄する際に使用する水については純度の高い水が必要となることから、特別な処理を行ったうえで水を再循環させています。産業排水の処理業者と協力し排水をリサイクルするとともに、最新の水処理施設を導入して水の使用量を最小限に抑えるよう努めています。これらの工程は、製造革新部の標準化プロシージャー(例、必要ない時の洗浄スプレー使用停止、最適サイズのノズル利用、水受けの設置、水あふれおよび漏れ防止策の実施)により管理しています。こうした取り組みは、取水量を減らすだけでなく、水処理に使用される化学物質の使用量を削減する効果もあります。
NSGグループでは、工程または製品の違いや水質の違いにより、各工場で使用する水の量は大きく異なります。フロートガラスの製造では通常1トン当たり約2.6m³の水が必要となり、自動車用ガラス製品の加工では1m²当たり約0.12m³の水が必要となります。2024年の水ストレス地域における総取水量は、合計1.9百万m³で、2019年3月期の3.4百万m³と比較して43%の削減となります。
詳細はNSGグループ ウォーターポリシーをご覧ください。
NSGグループ総取水量 2015-2024
NSGグループ水源別取水割合 2024

水リスク
水不足や排水の水質に関して、現在、ステークホルダーから懸念は示されていません。その他の水リスクについては、兆候が見られた地域で、洪水に関する計画および対策を実施しています。水リスクは、NSGグループのリスク評価プロセスではそれほど重大なイシューではないと認識していますが、今後も全施設でリスク評価を続けていきます。また、NSGグループのサステナビリティ委員会においても、水リスクやパフォーマンスの見直し、および水のマネジメントに関連する活動について議論を行っています。
NSGグループは、グループのサステナビリティポリシーおよび環境ポリシーをサポートするかたちで、水のマネジメントに対する取り組みを明確にし、水質の課題や水不足のリスクに対応するため、2020年に新しくウォーターポリシーを制定しています。
2019年、NSGグループは、より高度な環境報告および分析データベースを導入しました。すべての拠点は、それぞれの情報および水に関するデータをこの中央データベースに報告しており、企業および拠点レベルでの集計、分析、監視に活用されています。
最新のデータ報告およびレビューによると、NSGの10拠点が、「Aqueduct Water Risk Atlas」のグローバルデータに基づき、水ストレス地域に位置していることが明らかになっています。これらの拠点での取水量は、2024年時点で全体の14%を占めています。
これらの拠点では、水資源管理の優先的なレビューおよび改善活動が実施されており、NSGグループ全体の目標である「水ストレス地域における取水量を、2019年度比で2027年度末までに50%削減する」というサステナビリティ目標達成への貢献を目指しています。
イタリアのサンサルボにおけるNSGグループのガラス溶融および自動車用ガラス製造拠点では、工場管理チームが地域コミュニティの水資源協議会と積極的に連携し、水の使用管理および改善活動に取り組んでいます。
サンサルボ工場では、緊急時の水供給管理システムも導入され、2024年にその運用テストが実施されました。
この取り組みにより、昨年は45万立方メートルの水と198MWhの電力を節約し、45万ユーロの経済的節約を実現しました。
これは部門横断的なチームによって推進された良い事例であり、特に、夏季の水不足が深刻な地域において、企業のみならず地域社会にも明らかな利益をもたらしました。
この取り組みは、従業員の意識向上、水使用効率の改善、および水不足のシナリオに備えた緊急対応計画に基づき実施されたものであり、2024年のNSGグループの「EHSアワード環境賞」を受賞しました。
サンサルボ工場は、水管理およびプラントエンジニアリングサービスのパートナー企業であるヴェオリアから『環境リターン賞(Return on Environment Award)』も受賞しました。この賞は、生産性のニーズとのバランスを取りながら、環境および業務目標を上回る成果を達成した顧客を表彰するものです。

私たちの水の再利用はここから始まります

サンサルボ工場チームが「環境リターン賞(Return on Environment Award)」を受賞

Water stress map 出典:Aqueduct Water Risk Atlas
節水プロジェクト
サンサルボでの水関連プロジェクトに加え、他にも優れた節水プロジェクトがいくつか実施されていますが、その中でも特に重要な取り組みとして、ベトナムのハノイのフロート工場において、大規模な節水プロジェクトが導入された事例があります。
雨水の回収に加え、ガラス洗浄機の水も再利用するシステムにすることにより、当工場における水の使用量を17%削減することができました。