社長メッセージ

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

ここに当社グループの第156期中間期(2021年4月1日から2021年9月30日まで)の概況についてご報告申し上げます。

第156期中間期の総括と下半期の見通し

当期上半期の当社グループの事業環境は、事業・地域によっては新型コロナウイルス感染症拡大の影響を色濃く受けたものの、建築用ガラス事業は、多くの地域で需要が回復したことを受け、全般的に好調でした。また、太陽電池パネル用ガラスの需要も引き続き堅調でした。高機能ガラス事業も、多くの地域で力強い消費者需要の恩恵を受けました。一方、自動車用ガラス事業は、第1四半期は大幅に回復したものの、第2四半期以降は半導体など自動車部品不足の影響を受け、自動車生産が制約されたため、需要は著しく低調でした。

また、エネルギーコストを中心とする投入コスト上昇の影響を受けましたが、継続的なコスト削減や需給環境を反映した販売価格上昇により、緩和しました。

その結果、当中間期の売上高は2,907億円(前年同期は2,215億円)、営業利益は127億円(前年同期は32億円)、バッテリーセパレーター事業の譲渡益を含む個別開示項目利益(純額)45億円もあり、親会社の所有者に帰属する四半期利益は86億円(前年同期は173億円の損失)と前年同期比で大幅に改善、黒字転換し、業績予想を上回りました。

下半期の事業環境については、高騰したエネルギー価格等による投入コスト増の影響を引き続き大きく受ける見通しです。自動車用ガラス事業においては、半導体等部品不足の解消タイミングに関しては不透明感が継続しますが、追加コスト削減により、通期黒字化を目指します。建築用ガラス事業、高機能ガラス事業の事業環境は改善が継続する見込みであり、全事業で増収増益の想定は変わりません。

新中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」の進捗

当期は新中期経営計画であるRP24(2022年3月期~2024年3月期)の初年度です。

RP24の期間については、構造改革期と位置づけ、「コスト構造改革」、「事業構造改革」、「企業風土改革」からなる「3つの改革」と、「財務基盤の回復」、「高収益事業へのポートフォリオ転換」からなる「2つの重点施策」を断行し、持続的な成長が可能な事業体質を目指します。

当期上半期における進捗は、以下の通りです。

「コスト構造改革」に伴うコスト削減が順調に進捗、寄与するとともに「事業構造改革」に伴う高収益事業が貢献しました。「高収益事業へのポートフォリオ転換」としてバッテリーセパレーター事業の譲渡も9月1日に完了し、上半期は損益が大幅に改善するとともに黒字を継続、自己資本比率も10%超まで回復し、「財務基盤の回復」に繋げています。さらには太陽電池パネル、BIPV(建材一体型太陽電池パネル)等の製品による貢献だけでなく、水素燃焼の実証実験等カーボンニュートラルを目指した取り組みや、「企業風土改革」として「インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」をグローバルで強化し、人材育成プログラムを策定する等、将来に向けた施策も開始しています。

リバイバル計画24(RP24)構造改革施策の進捗
3つの改革 コスト構造改革
  • 人員削減:欧米の自動車用ガラス事業を中心に拠点、製造ラインを統廃合、22/3期累計で500人超を削減(20/3期比58億円削減)、21/3期と合わせて2,000人超の削減(22/3期末までに同130億円削減の見込み)(退職コストは21/3期に引当済)
  • コスト削減:「改革・革新」活動を通した直接費低減を推進中、これまで23億円削減し、期末までに43億円削減の見込み
    カナダの事業所に蓄電システムを設置し、電力消費量とCO2排出量を削減
  • 自動車用ガラス事業における約50億円の追加コスト削減を開始
事業構造改革
  • 米国、ベトナム太陽電池パネル用ガラスが収益寄与と同時にCO2削減による地球環境の保護に貢献
  • アルゼンチン新フロート窯建設は、23/3期の早い段階で本格稼働開始を目指す
  • BIPV(建材一体型太陽電池パネル)、抗ウイルスガラス等オンラインコーティング技術を活用した新製品の供給や、プリンターレンズのオフィス用プリンターへの適用拡大、グラスコードの産業用機械、ロボットへの適用拡大
  • クリエイティブ・テクノロジー事業開発統括部を新設
  • 水素燃焼や透明な窓用太陽光発電パネルの実証実験等、カーボンニュートラルを目指した取り組み
企業風土改革
  • インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」への取り組みをグローバルで強化、女性管理職比率上昇、若年層活性化を目指す
  • RP24の目標を達成するために必要な人材アジェンダを特定し、目指すべきゴールを定量化、人材戦略を構築
2つの重点施策 財務基盤の回復
(2022年3月期 4-9月期実績)
  • 黒字を継続。純損益は前年同期から約260億円の大幅改善、自己資本比率も10%超まで回復
  • 2021年9月末現預金残高434億円、未使用融資枠780億円
高収益事業への
ポートフォリオ転換
  • バッテリーセパレーター事業譲渡:9月1日完了

サステナビリティへの対応

当社グループは、経営指針「Our Vision」に基づき「重要課題(マテリアリティ)」を設定し、中長期的な企業の持続的成長と持続的社会の実現に向けた取り組みを行っており、今般TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しました。今後は、TCFDが提言する開示フレームワークに沿って、気候シナリオ分析を用いた気候関連のリスクや機会に基づく潜在的な影響をより定量的に評価することで、開示内容を充実させる予定です。

当社グループは今後とも、持続的社会の実現に向けて、サステナビリティの取り組みを進めていきます。

重要課題(マテリアリティ)
項目 目指す姿
環境 工程改善による温室効果ガス排出低減と環境貢献製品・技術の提供を通じて、脱炭素社会の実現に寄与
社会シフト・イノベーション 社会の重要課題を特定し、その解決に貢献する新技術・新製品・サービスをタイムリーに提供
安全で高品質な製品・サービス 品質管理・サプライチェーン管理等により、製品・サービス両面の質を向上
倫理・法令遵守 倫理・コンプライアンスの一貫した取組を通した企業価値の保持・向上
人材 グローバルレベルで変革を率いるリーダー育成、インクルージョン&ダイバーシティ、健康・安全の推進により当社グルーブの持続的成長と従業員の幸福を実現

配当

当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして認識し、持続可能な事業の業績をベースに、安定的に配当を実施することを利益配分に関する基本方針としています。そのため、財務基盤を強化し、将来の事業展開のために適正な内部留保を確保した上で、配当金を決定いたします。

当中間期の普通株式配当につきましては、当社グループの業績、財務状況等を総合的に勘案し、誠に遺憾ではありますが、その実施を見送らせていただくことといたしました。

株主の皆様には、誠に申し訳なく、深くお詫び申し上げます。当社グループは、配当が株主の皆様にとって重要なものであることを認識しており、今後、少しでも早く復配できるようグループ一丸となって収益改善に全力を傾けていく所存です。

株主の皆様におかれましては、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2021年11月
日本板硝子株式会社
代表執行役社長兼CEO
森 重樹