2020年のサプライヤーエンゲージメント

エネルギー効率およびCO2削減

NSGグループでは、8年以上に亘り、グループ全体にわたるグローバルな相互協力を通じて、エネルギー効率化プログラムを実施しています。購買部門は、研究開発、製造革新などの本社部門、およびローカル管理職チーム等と協力して、グループ全体のエネルギー消費およびコストの削減に注力しています。 2019年10月、NSGグループは、パリ気候変動協定に沿って、ガラス製造により排出されるスコープ1および2のCO2の絶対量を、2030年までに2018年対比21%削減するという、科学的な根拠に基づく目標(SBT)に本格的に取り組むことを約束しました。

詳細はCO2削減目標をご覧ください。

スコープ1および2に加えて、NSGグループはスコープ3のCO2排出量の削減にも取り組んでいます。スコープ3の排出量には、NSGのバリューチェーンにおけるその他のCO2排出量が含まれます。例えば、原材料、輸送、サービス、出張、従業員の通勤、NSGグループのJV投資先、顧客による当社のガラス製品の加工工程などで発生するCO2排出量です。

スコープ3のCO2排出量

2017年にNSGグループは、スコープ3の排出量の定量化の改善に着手しました。2020年のスコープ3の排出量は上表の通りです。また、サプライチェーンのCO2についての理解を深め、ベストプラクティスを明らかにしてパートナーと共有するために、主要サプライヤーとのエンゲージメントも開始しました。

エネルギー

エネルギーは、NSGの購入額の大きな部分を占めています。2020年には、エネルギーはグループの総購入額の15%を占めました。さらに、スコープ1とスコープ2のエネルギー消費量は、NSGグループのCO2排出量の53%を占めます。これを踏まえ、NSGグループでは、エネルギー消費量とCO2排出量の削減を目指し、数年前よりグローバル・エネルギー管理プログラムを実施してきました。現在までにこのプログラムは、スコープ1、2、3の排出量(エネルギーベース)の75%を占める25の事業所で実施されてきました。各事業所ごとのプロジェクトでは、エネルギー消費量とCO2排出量の削減や、グループ内への再生可能エネルギーの導入のために様々なプロジェクトをサプライチェーンと協力して特定します。

2019年10月に公表した二酸化炭素削減のための「科学的な根拠に基づく目標(SBT)」の達成に向け、CO2削減を強化するために2019年に「NSGグローバル・エネルギー管理プログラム」を「エネルギー・炭素管理プログラム」として再始動させました。SBTと並行して、NSGグループではオペレーション全体で使用する再生可能電力の目標値を設定することを決定しました。2020年には、再生可能エネルギー起源の電力比率が前年比5%増の25%まで拡大しました。引き続き、2024年までにこの比率を50%に引き上げるというコミットメントに取り組みます。2020年、NSGグループは、アルゼンチンでの電力需要の約25%を賄う初のオフサイト買電契約(PPA)を締結し、このプロジェクトによりCO2排出量を年間で約5千トン削減できる見通しです。また、スコープ2の二酸化炭素排出をさらに削減するため、再生可能電力グリッド供給契約をチリとポーランドで締結しました。イタリアにあるNSGのセッティモ事業所では、2019年に締結した再生可能電力グリッド供給契約に続き、サプライヤーの地域暖房ネットワークと接続し、NSGグループの主要製造施設としては初めてエネルギー消費量がネットゼロとなりました。日本では、京都にある自動車用ガラス部門の事業所において、大阪ガスとカーボンニュートラルなガスを供給する契約を締結しました。

主要な原材料サプライヤーとのシナジー効果

フロートガラスの製造に使われるガラス原料の費用は、総購入額の約10%を占めます。原料の製造および加工工程から排出されるCO2は、スコープ3の総排出量のうちの97万5千トン、つまりNSGグループのCO2総排出量の15%を占めます。一つのフロートラインから排出されるCO2のうち、平均して約17%は純粋に炭酸塩原料の分解によるもので、残りは主にガラスを作る際の炭酸塩原料やカレットなどの原料の溶解に起因し、成形や徐冷の工程からの発生はわずかです。そのため、炭酸塩原料の代替品を評価することが、ガラス製造に伴うCO2排出量削減に向けたNSGの取組の重要な課題となっています。

多くの主要なサプライヤーと協力して、CO2排出量を削減し、同時にエネルギー消費を削減するプロジェクトに取り組んでいます。2019年夏、主要なソーダ灰サプライヤーとの協議が開始されました。ソーダ灰はガラス製造時に融剤として用いられ、窯の温度をシリカを溶融するために必要なレベルに下げ、エネルギー消費を減らす重要な役割を果たします。しかし、ソーダ灰の生産においても、かなりの量のCO2を大気中に放出します。私たちは現在、2つのエネルギー需要の高い(つまりCO2排出量の多い)企業間の協力による相乗効果の可能性を評価しています。

低炭素原材料

原材料の製造および加工によりCO2排出量(スコープ3)がさらに増えるため、原材料のCO2負荷の削減は、SBT達成にとって非常に重要です。研究開発部門は、購買部門と協力して、これらの排出量の削減につながる低炭素のガラス原料の探索に取り組んできました。また、最近ではCO2を排出しない炭酸塩原料の試験を実施しました。克服すべき技術的課題は数多く残されていますが、それらを十分に分析し、特定されたリスクを軽減するためのさらなる試行が計画されています。2020年には、主に南米フロートラインでの大規模な焼成ドロマイト試験の準備に注力しました。既存のドロマイトサプライヤーと高品質な焼成を専門とする新規企業と協力することで、フロートガラスの製造に適した材料の生産が可能となりました。焼成ドロマイトは、炭酸塩の形でCO2を含まず、現在のところ、大幅な燃料削減も見込まれています。

フロートラインでは、試験に必要な高品質原材料の十分な確保とともに、試験を安全に実施するために必要なエンジニアリングソリューションの委託などの準備を進めています。10日間程度の試験を実施することで、エネルギーやCO2の削減だけでなく、製造プロセスの化学的性質やメカニズムの変化など、新材料を使用するうえで必要なデータや経験を全て集め、この技術がグループ全体で導入するのに適しているかどうかを評価することを目的としています。この試験は新型コロナウイルス感染症の影響で延期されてきましたが、2021年末までの実施を見込んでいます。

2020年のその他の活動としては、既存のソーダ灰サプライヤーとの協力を再開し、同社の製造時CO2排出量削減計画に対する理解を深めました。また、新しい分析方法を用いて他の代替材料を評価し、既存の材料と比較することで、それらの材料を溶解するのに必要なエネルギーを直接定量化することができました。このデータ収集は来年も継続しますが、その目標はCO2排出量と材料費用を最小限に抑えながら、望ましいガラス特性を実現するための最適な原材料を提案することです。

輸送・倉庫業務

輸送・倉庫業務に掛かる費用は、NSGグループのグローバルオペレーションにおける購入額の16%を占めており、そのうち輸送だけで12%を占めています。グループ全体の道路輸送費のうち、欧州が45%、東南アジアが17%、米州が38%を占めています。道路輸送に関する調査を、欧州で71%、日本で37%、北米で39%終えており、これらの調査結果から輸送ルートや距離、輸送費用など詳細なデータを照合しています。

現在、効率性の向上、航空便による輸送距離削減および、輸送する製品の重量増加に重点が置かれています。これらすべての取り組みにより、環境負荷を低減することが可能となります。NSGでは、環境面でメリットをもたらす多くのプロジェクトを積極的に実施しています。当社の主な目的は、主要サプライヤーと協力して流通網を最適化することにより、持続可能な改善を推進することです。これには、輸送ルート管理、積み戻し管理、三角転送などが含まれ、車両の利用効率を高めることで、顧客の需要に対応するための輸送の回数を減らすことができます。複数の事業部門にまたがって取り組むことで、NSGの流通プロファイル全体に相乗効果をもたらすことができます。

欧州では、パートナー企業と協力し、ディーゼル燃料車の代替として液化天然ガス(LNG)の使用を評価してきました。英国では2020年7月に試験に成功しました。ディーゼル燃料車をバイオLNGトラックに置き換えることができれば、平均してCO2を最大92%削減できる可能性があります。

NSGの鉄道輸送は全体流通量の4%に過ぎないため、世界中でより多くの複合一貫輸送ソリューションを検討していますが、このプログラムは世界的なパンデミックの影響を受けて遅れています。

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