水の利用とマネジメント

ガラス製造において水は冷却のために使用されますが、ほとんどの工場では水循環システムが稼動しており、補充のみが必要になります。また、工場内でガラスを洗浄する際にも水が使用されますが、ここでは純度の高い水が必要となるため、特別な処理を行ったうえで水を再循環させています。産業排水の処理業者と協力し排水をリサイクルするとともに、最新の水処理施設を導入して水の使用量を最小限に抑えるよう努めています。これらの工程は、製造革新部の標準化プロシージャー(例、必要ない時の洗浄スプレー使用停止、最適サイズのノズル利用、水受けの設置、水あふれおよび漏れ防止策の実施)により管理されています。これは、取水量を減らすだけでなく、水処理に使用される化学物質の使用量を削減する効果もあります。

NSGグループ全体に亘って、工程または製品の違いや水質の違いにより、水の使用量は大きく異なります。通常はフロートガラスの製造1トン当たり約2.6m³の水が必要となり、自動車用ガラス製品の加工1m²当たり約0.12m³の水が必要となります。2021年の総取水量は、16.0百万m³でした。これは2020年と同程度の量です。ガラス生産量は増加しましたが、水利用効率の改善により補完されました。

詳細はNSGグループ ウォーターポリシーをご覧ください。

■ NSGグループ総取水量 2015-2021
■ NSGグループ水源別取水割合 2021
データはこちらを参照下さい。

水リスク

水不足や排水の水質に関して、現在のステークホルダーから懸念は示されていません。その他の水リスクについては、兆候が見られた場所で、洪水に関する計画および対策を実施しました。水リスクは、NSGグループのリスク評価プロセスではそれほど重大なものとされていませんが、今後も全施設でリスク評価を続けていきます。NSGグループのサステナビリティ委員会は、経営幹部から成るグローバルな討論の場であり、リスクやパフォーマンスの見直し、および水のマネジメントに関連する活動についての協議を行います。

NSGグループは、水のマネジメントに対する取組みを明確に表明し、さらに水質の課題や水不足のリスクに対応するため、新たにウォーターポリシーを制定しました。これは、NSGグループのサステナビリティポリシーおよび環境ポリシーをサポートするものです。

2019年、NSGグループは新しく、より洗練された環境に関する報告・分析データベースを導入しました。すべての事業所が個別の情報と水に関するデータをグループ共通のデータべースに報告することで、グループおよび事業所レベルでの更なるデータの集積、分析、モニタリングが促進されます。2021年のデータ報告とレビューでは、世界の水リスクを示したAqueduct Water Risk Atlasに照らし、NSGの9つの事業所が水資源が乏しい地域に位置していることが明らかにされました。これらの事業所における取水は2021年度の全体のうち3%を占めます。これらの事業所は、優先的に水のマネジメントの見直しおよび改善活動の対象となります。

Water stress map 出典:Aqueduct Water Risk Atlas

節水プロジェクト

節水プロジェクトの中でも、イタリアのサン・サルボ工場での節水プロジェクトは非常に成功しています。サン・サルボ工場は、イタリア南部の東海岸に位置し、潜在的に水不足の可能性がある地域にあります。機器の冷却、ガラス洗浄、蒸気発生に利用される水のほとんどは、近くの川から供給されており、暑い夏の時期には水不足になる可能性があります。

最近の改善プロジェクトは、水利用の改善、再利用の最適化、雨水の使用の3つのステップで構成されています。この3つのステップにより、2021年には河川からの取水量を、プロジェクトのベースラインである2019年に対して82%(年間約1Mm³)削減することができました。節約された河川の水は、現在、地元の水供給業者が地域社会の飲料水を生産するために使用されています。

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