Y.T
[技術系]
グループファンクション部門 研究開発部日本統括部
Y.T
工学部工学研究科物質化学系専攻卒 2017年入社
大学時代に熱中したことは?
大学で軽音楽部に入り、部活動に熱中しました。かっこ良さに魅了されて演奏する楽器はドラムを選びました。楽器演奏の経験が無く、初心者からのスタートだったので、最初は上手くいかないことばかりでした。しかし、基礎練習を重ねるにつれて、日々新しいことができるようになっていくのがとても楽しかったです。発表会ごとにメンバーも曲も変わるスタイルだったので、さまざまな人と一緒に曲を合わせて練習したり、発表会に向けてどんな演出にするかなどを話し合い、交流を深めたのも良い思い出となっています。今でも友人と一緒にバンドを組んで演奏したり、趣味として楽しんでいます。
研究室に配属されてからは、燃料電池用触媒の研究に取り組みました。触媒反応のメカニズム解析を担当しており、複数の分析装置での結果を組み合わせて反応を推定していくテーマで、これまでわかっていなかったことが明らかになった時は達成感が得られました。
NSGへの入社を決めた理由
学生時代の研究はあまりガラスとは関連がなかったのですが、その研究で使用していた部材をガラスメーカーが製造していることを知り、「ガラス=窓」のイメージしかなかった当時の私は衝撃を受けました。普段はあまり意識していませんでしたが、窓だけではなく、さまざまなところでガラスが使用されていることに気づき、興味を持ったことがきっかけです。さらにガラス表面にコーティングを施すことで紫外線カット効果などの機能を付与させることができると知り、ガラスや機能性薄膜の持つ可能性に惹かれました。就職活動時の説明会や工場見学などで交流した先輩社員の方々が皆さん話しやすく、雰囲気の良い会社だと思い、NSGへの入社を決めました。
現在の仕事内容
ガラスに付ける機能性薄膜の開発を担当しています。ガラスの表面に非常に薄い膜を付けることで、全く別の性質を付与することもでき、付与する機能には例えば紫外線カット、反射防止、抗菌・抗ウイルスなど様々なものがあります。今の部署ではそういった機能性薄膜の組成や成膜プロセスの開発を主に担当しています。また、新しい機能性薄膜を開発する場合には、そもそも既存の装置や方法ではその機能を定量的に評価することができないこともあります。そのような場合には、試行錯誤して、新たに評価方法を構築して膜の開発に役立てています。
仕事の喜び・やりがい・印象に残っている仕事
薄膜に関する基本的な知識や、文献調査や周囲の人から得た知見により、「こうすれば性能が改善できるのではないか?」と自分で考えた仮説や手法の効果を実験で示すことができた時には喜びを感じます。
膜の性能をきちんと社内で評価する方法が確立されていないため、評価方法を構築する仕事を任された時が印象に残っています。その性能に関しては専門外で一から勉強が必要だったので、理解するのには苦労もありましたが、入念にその性能についての基本知識やメカニズムを調べ、評価方法に適用しました。最終的に構築した方法が周囲からも評価され、プロジェクトの開発に貢献することができたという実感もあり、非常にやりがいを感じた仕事です。
就職活動中のみなさんへ
就職活動では、専攻にこだわりすぎず、色々な企業の説明会などに参加してみることをお勧めします。希望する企業が明確な方も、あまり興味のないと思っていた別の業界の方に魅力を感じるかもしれません。また、明確でない方も、実際に話を聞くことで、自分が働くことをイメージしやすくなり、自分の希望する企業や業種を見つけるのに活かせるのではないかと思います。
専攻外の企業に就職することについて、不安があるかもしれませんが、入社してからも基本的な知識や専門知識を学ぶ機会はありますので、視野を広げて自分の好きなことを仕事にしてほしいと思います。
なかなか思うようにいかなかったり、苦労することもあるかと思いますが、諦めずに頑張ってください。
学生時代の勉強が今の仕事にどのように役立っているか?
膜の組成を考えたり、化学反応を推定するのに、学生時代の無機化学や有機化学などさまざまな化学の知識を使っています。
学生の研究生活では、実験だけではなく、他の人の論文を読んで知識や情報を得ていましたが、今の仕事でもガラス、薄膜に限らず別の分野の文献調査などから学んだ知識を開発テーマに活用することがあり、学生時代に身に着けた姿勢が役立っていると感じます。別の分野の研究は一見関係がないようにも思えますが、薄膜にもこの技術が適用できるのではないか、と新しいアイデアをひらめくこともあり、先入観にとらわれずに挑戦してみることの大切さを実感しています。