300µmの極細素子を用いたSELFOC® Lens Array「SLA 5EG」の開発に成功「長被写界深度」・「コンパクト」・「高解像力」を兼ね備えたレンズ
日本板硝子株式会社(東京都港区、代表執行役社長兼CEO:細沼 宗浩、以下「NSG」)は、主にプリンター複合機(マルチファンクションプリンター)の読み取り部分であるコンタクトイメージセンサー(CIS)*1に使用されるSELFOC® Lens Array(以下「SLA」*2)の採用領域をさらに拡大するため、被写界深度*3の要求が高くCISの搭載率が低いオフィス用プリンター複合機の原稿台スキャナーをターゲットに、長被写界深度、コンパクトさ、高解像力を兼ね備えた新製品「SLA 5EG」を開発しましたので、お知らせいたします。
SLAは、NSGが開発した「板」形状のユニークなレンズです。一般的なレンズに比べコンパクトで、歪みのない画像を幅広に伝送することができるため、プリンター複合機、金融端末、産業用検査機等の読み取り部分に搭載されるCISに使用されるレンズアレイにおいて、ナンバーワンのシェアを獲得しています*4。
新製品「SLA 5EG」は、長被写界深度とコンパクトさを両立し、高解像力を兼ね備えたレンズです。従来の長被写界深度レンズである「SLA 5AG」や「SLA 5DG」は、レンズの高さ、厚み、作動距離が比較的長いものでしたが、「SLA 5EG」では、レンズ素子の直径を300µmまで極細化することにより、いずれも短く、かつ、小さく抑え、体積は従来の長被写界深度レンズの1/10以下にまでコンパクトにしています*5。また、レンズ素子を高密度に配列することにより、解像力(解像度300dpi時の平均MTF)も15~25%向上させています。
被写界深度とコンパクトさに対する要求が高い用途として、レンズと複数のミラーを組み合わせる縮小光学方式が主流であるオフィス用プリンター複合機の原稿台スキャナーや、スペースに制約がありカメラの設置が困難なマシンビジョン*6における光学自動検査等があり、これらへの活用が期待されます。
NSGでは、従来のラインナップに加え、長被写界深度タイプの「SLA 5DG」、長WD(作動距離)タイプの「SLA 5AG」、そして、今回開発した長被写界深度かつコンパクトなタイプの「SLA 5EG」と、幅広いラインナップを取り揃え、プリンター複合機市場やマシンビジョン市場の多種多様なニーズにお応えしてまいります。
以上
NSGグループ(日本板硝子株式会社およびそのグループ会社)について
NSGグループは、建築および自動車用ガラスとクリエイティブ・テクノロジー分野で事業を展開する世界最大のガラスメーカーのひとつです。
建築用ガラス事業は、各種建築用ガラス、太陽電池パネル用ガラス等を製造・販売しています。
自動車用ガラス事業は、新車用(OE)ガラスや補修用(AGR)ガラスの分野で事業を展開しています。
クリエイティブ・テクノロジー事業の主要製品は、プリンターやスキャナーに用いられるレンズ、タイミングベルトの補強材であるグラスコードを中心とした特殊ガラス繊維やガラスフレーク、およびファインガラスです。https://www.nsg.co.jp
[用語説明]
*1 CIS: Contact Image Sensor
SLA(レンズアレイ)・光源・センサーが一体となったラインスキャンユニット
*2 SLA: SELFOC® Lens Array
写真: SLA
*3 被写界深度(DOF: Depth of Focus): レンズを通して対象物を見たとき、鮮明な像が得られる光軸方向の範囲
*4 2023年10月時点、当社調べ
*5 体積比。同等の被写界深度特性をもつ「SLA 5AG」比3%、「SLA 5DG」比7%
*6 マシンビジョン: 機械が人間に代わり自動検査やプロセス制御等を行う産業用オートメーションシステム
[参考資料]
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