遮熱タイプの耐火ガラス壁の開発について

Date
1997年 03月 06日

日本板硝子(社長 松村 實 )はかねてより、画期的な遮熱タイプの防耐火ガラス「パイロストップ」の市場開拓を進めてきましたが、この度、従来ガラスでは不可能とされてきた1時間耐火の間仕切壁の開発に成功しました。すでに公的機関の試験に合格しており、建設省の認定が得られ次第大型建築物を中心に巾広く事業展開を進める考えです。

この度の研究開発は、パイロストップの遮熱性能を最大限に生かし、枠部材などの開発も含めて1時間の耐火性能を持たせることに成功したもので、専門的な課題については建設省建築研究所などの指導を得て進めてきました。鉄製ドアやシャッターなど防火戸では不可能だった連続使用が可能になるため、エンドレスのガラスパーティションを始めとし、建築基準法の性能規定化の影響も相まって、例えば避難階段の周壁や床など新たな部位への展開や、鉄骨をガラスで保護すると言った全く新たな使い方へも拡がるものと注目されています。

日本板硝子は、このパイロストップを安全・防災面での中核商品として位置づけ、新たな部位への拡大を計っていきます。

なお、3月11日から14日まで東京ビッグサイトで開催される「アーキテクチャー東京 97」へ耐火試験後の大寸法の実物が出展されます。

従来の防火ガラスとの比較と主な用途


防火ガラスには、従来から広く普及している「網入板ガラス」と、最近の技術開発によって商品化されたワイヤレスの「耐熱板ガラス」がありますが、これらは火災時に炎や煙の遮断には高い性能を示しますが、放射熱エネルギーを透過してしまうため、可燃物が近くにある場合には着火し延焼を招く危険性が高く、また、避難経路に大きな面積で用いられた場合には活動に支障をきたす恐れがあります。従って、このような『非遮熱タイプ』の防火ガラスは、外周防火戸(窓)及び屋内の防火戸(ドア)などの開口部としての使用に限定されてきました。

一方、このパイロストップは放射熱も遮ることができる『遮熱タイプ』の防耐火ガラスで、普段は透明度の高い安全ガラスですが、火災時には発泡して放射熱エネルギーを遮断する壁へと変化する非常に優れた性能を有しています。

このため、デパート・ホテル・コンベンション施設・駅など不特定多数の人が集まり、且つ、可燃物が多量にある用途の大型複合建築物や、病院・福祉施設などの高い安全性を要求される建築物にこの『遮熱タイプ』の防火ガラスを用いれば、火災時の避難活動に貢献すると共に、防災拠点としての空間の活用及び、火災の進展が可視化できることによって、消火・救助活動が円滑に実施できることになります。なお、すでにヨーロッパでは多くの国で避難通路や階段のドアやパーティションなどのガラスにはパイロストップに代表される『遮熱タイプ』の防耐火ガラスの使用が義務付けられています。