世界初 真空ガラスの開発に成功

Date
1997年 01月 29日

日本板硝子株式会社(社長 松村 實)は、このほど、超薄型で高い断熱・防音性能を持つ「真空ガラス(商品名 スペーシア®)」の開発に世界で初めて成功いたしました。
「真空ガラス スペーシア®」は、魔法瓶の原理を応用したもので、その高い断熱・防音性能により快適で健康的な住空間を創造するともに、高い省エネ性能により地球環境の保護にも有効です。
また、総厚味が6ミリのため、複層ガラスのような厚味の厚い専用サッシを必要とせず従来型の単板用サッシにそのまま装着出来ます。このため、既存住宅においてはガラスを取り替えるだけで窓の断熱・防音が図れ、また、新築住宅においても単板サッシのままで窓の断熱・防音が図れるため、窓全体としての高性能をより経済的に実現できるメリットがあります。
これまで複層ガラス化が遅れていた東京以南の温暖地における既存住宅やマンションでの省エネ・居住性改善に大きな効果が期待されます。
なお、「真空ガラス スペーシア®」は、3月11日から東京ビッグサイトで開催される「アーキテクチュア東京97」で展示の予定です。

真空ガラスの原理と構造
熱の伝わり方には「伝導・対流・放射」の3種類がありますが、従来の複層ガラスでは2枚のガラスの間に空間を作り乾燥空気を閉じこめて「熱の伝導・対流」を抑制しています。通常の複層ガラスでは6ミリ以上の厚味の乾燥空気層を設け、ガラスの総厚味は12ミリ以上となっています。
「真空ガラス スペーシア®」はこの空間を真空にすることにより「熱の伝導・対流」を抑制しています。真空にすることにより空間の厚味に関係なく断熱性能が保持できるため、ぎりぎりまで薄くすることができました。この結果、総厚味約6ミリの実現が可能となりました。
さらに、低放射ガラスを使用することにより、「熱の放射」も抑制し断熱性能をより一層高めています。
また、大気圧により2枚のガラスが一体化された状態となっている為、複層ガラスに比べて倍近くの耐風圧強度と遮音性能を有します。

真空ガラスのメリット
真空ガラス スペーシア®は、住宅用窓ガラスに用いることで、次のように様々なメリットが生まれます。
1.断熱・防音性能アップ(基本性能値は別表の通り)
A.断熱
真空層の効果により優れた断熱性を発揮し、次のような快適で健康的な居住環境が得られます。
・部屋の内部の温度差が小さくなります。
・窓際での冷々感が大幅に軽減されます。
・冷暖房を切った後も長時間にわたり快適性を維持できます。
B.結露軽減
真空層により熱を伝えにくい構造となっているため、室内側のガラス表面の温度があまり下がらず、不快な結露の発生を大幅に防ぎます。
C.省エネ
優れた断熱性能により冷暖房など空調エネルギーを大幅に節減できます。
D.防音
複層ガラスに比べ、更にグレードアップした防音効果が期待できます。

2.開口部設計の自由度拡大
総厚味が薄い為、開口部設計の自由度が増すほか、大きな耐風圧強度を有していることから、薄いガラスで広い開口部が実現できます。

3.開口部のコストダウン
従来の複層ガラスに比べ、特別仕様のサッシを必要としないため、サッシ・工事費などを含め、より経済的に窓の断熱・防音を図ることが出来ます。

4.施工性の良さ
単板サッシ専用に開発した特殊グレージングチャンネルを標準装着しておりますので、運搬やサッシへの組付け作業中の安全性に加え、作業自体も簡素化されるものと期待しております。

今後の展開
今後は、既存住宅のリフォーム、新築マンションなどに積極的なマーケティング活動を展開し、今秋頃には本格発売に踏み切る予定です。

<別表>
真空ガラス スペーシア®の基本性能

注:
1.ガラス構成
FL3 =フロートガラス3ミリ
LOW-E3=低放射(ローエミッシブ)ガラス3ミリ
V =真空層 0.2ミリ
A6 =空気層  6ミリ
2.熱貫流率
窓、壁、床などの各部位において、その内外の温度差が1°Cとした場合に、面積1m²あたり1時間に何キロカロリーの熱が流れるかを示したもの。
3.遮音等級
実測値。複層ガラスも防音には効果がありますが、一部低音域で透過損失が大きく、このためJIS等級表示ではこのような数値になります。