子会社の異動を伴う株式の譲渡について
日本板硝子株式会社(社長 出原洋三)は、本日、当社の米国子会社(エヌエスジーホールディングUSAインコーポレーティッド)が株式を保有する通信用受光素子及びデバイス等の製造販売子会社であるエピタックス社の株式を、株式交換方式によって、JDSユニフェイズ社に譲渡することを合意いたしましたので、その概要をお知らせします。但し、今後米国当局の認可など諸手続を経たのち譲渡する予定です。
1.異動する子会社の概要
(1) 商号:エピタックスインコーポレーティッド(EPITAXX,INC.)
(2) 代表者:平栗 登(最高経営責任者)
(3) 本店所在地:米国ニュージャージー州ウエストトレントン
(4) 設立年月日:1984年1月3日(日本板硝子が1990年に買収)
(5) 資本金:12,185千米ドル
(6) 事業の内容:通信用受光素子及びデバイス等の製造販売
(7) 決算期:3月31日
(8) 従業員数:309人(H11年7月31日現在)
(9) 事業所:本社・工場とも米国ニュージャージー州ウエストトレントン
(10) 総資産:22,974千米ドル(平成11年3月期)
(11) 業績:
売上高 29,409千米ドル(平成11年3月期)
営業利益 4,084千米ドル( 同上 )
経常利益 2,839千米ドル( 同上 )
当期利益 1,652千米ドル( 同上 )
2.譲渡先の概要
(1)商号:JDSユニフェイズコーポレーション(JDS UNIPHASE CORPORATION)
(2)本店所在地:米国カリフォルニア州サンノゼ
(3)代表者:ケビン・カルコーベン(会長兼最高経営責任者)、ジョセフ・ストラウス(会長兼社長
(4)設立年月日:1999年7月6日(JDSファイテル社とユニフェイズ社が対等合併)
(5)事業の概要:光通信システム用モジュールの製造販売
(6)資本金他:資本金約426百万米ドル、売上高約430百万米ドル、従業員数約4540人
3.保有株式数状況
(1)異動前所有株式数 5,088千株(発行済株式総数比87%)
(2)異動株式数 5,088千株(発行済株式総数比87%) 譲渡価額約365億円
(3)異動後所有株式数 0株(発行済株式総数比0%)
4.譲渡の方法
株式交換方式によってエピタックス社の発行済み株式の87%株式とJDSユニフェイズ社の約2%相当株式(約365億円)とを交換する。
5.譲渡の理由
日本板硝子は、近年北米において市場拡大がめざましいDWDM(高密度波長多重通信)システムに不可欠なマイクロレンズをほぼ独占的に供給しています。今回の株式交換によって、その大手ユーザーでありかつ光通信用モジュールのトップメーカーであるJDSユニフェイズ社との関係強化を図ることが出来ます。JDSユニフェイズ社は、本年7月に、パッシブモジュールのトップメーカーであるJDSファイテル社と、アクティブモジュールのトップメーカーであるユニフェイズ社が合併してできた会社であり、光通信分野の品揃えにおいてはアクティブとパッシブを持つ他に類を見ない世界屈指のモジュールメーカーです。
一方、エピタックス社は光通信用の受光素子やそのデバイスなど、いわゆる電気回路や電子部品を主体としたアクティブモジュールを製造販売していますが、今後の技術開発のスピードや開発投資を考慮すると、より大きなスケールの中で今後の展開を図る方が、同社のポテンシャルを活かせると判断しました。そして、日本板硝子としては、JDSユニフェイズ社との関係強化の中で、得意分野であるマイクロレンズなどいわゆる光部品を主体としたパッシブモジュール分野に資源を集中して、事業拡大を図ることにより、DWDMシステム市場を中心に一層伸びが期待できるこの分野でより確固たる地位を築くことが出来ます。
6.譲渡の日程
米国当局の認可など諸手続を経たのち譲渡する予定です。(平成11年10月末頃の予定)
7.子会社異動後の業績見通し及び連結業績に与える影響
今回の株式交換によって、エピタックス社が連結対象会社から外れるとともに、当社子会社のエヌエスジーホールディングUSAインコーポレーティッドに対して譲渡による特別利益が約350億円発生することから、当社連結業績には以下の( )内の影響があります。なお業績見通しについては現時点では未定です。
|
第134期
(平成11年4月~平成12年3月) |
第135期
(平成12年4月~平成13年3月) |
連結売上高 |
未定 (△ 35億円) |
未定 (△ 35億円) |
連結営業利益 |
未定 (△ 5億円) |
未定 (△ 5億円) |
連結経常利益 |
未定 (△ 3億円) |
未定 (△ 3億円) |
連結当期純利益 |
未定 (+210億円) |
未定 (△ 2億円) |
総資産 |
未定 (+300億円) |
未定 (△ 34億円) |
(注)
1.第134期の( )内の影響額は、エピタックス社が連結対象会社から外れるため、同社のH11年3月期の業績(売上高、利益)ならびに総資産をマイナスし、特別利益が発生するため、当期純利益及び資産の増加をプラスしています。
2.第135期の( )内の影響額は、エピタックス社が連結対象会社から外れるため、同社のH11年3月期の業績(売上高、利益)ならびに総資産をマイナスしています。
(参考)
1.DWDM(高密度波長多重通信)
一本の光ファイバに少しずつ波長の異なった光を用い、その波長ごとに異なる信号をのせて多重化する通信システムのこと。北米ではインターネットの普及などから、通信の伝送容量をいかに増大させるかが急務となっており、長距離系通信を中心にDWDMシステムの普及が加速している。
2.アクティブモジュールとパッシブモジュールのちがい
アクティブモジュールは半導体レーザーやフォトディテクタなど電気回路や電子部品が関係しているモジュールのことである。
一方、パッシブモジュールはレンズや光ファイバーなどで構成された、波長合波分波器、光ファイバアンプや光スイッチなどのモジュールのことである。
3.エヌエスジーホールディングUSAインコーポレーティッド(NSG HOLDING USA,INC.)
日本板硝子が100%出資する米国子会社で、関連企業への投融資、ガラス製品の販売を行っている。