室内組立式介護ルーム「ふぁみりえ」の発売について
日本板硝子株式会社(社長 出原洋三)と日本板硝子環境アメニティ株式会社(社長 佐谷曙)は、高齢者が、住み慣れた家で、家族とともに、快適に、安心して暮らせ、介護者の労力が軽減でき、自立を支援する家庭用の室内組立式介護ルーム「ふぁみりえ」を開発し販売を開始しました。 本商品は、日本板硝子株式会社が平成6年度通商産業省(当時)生活価値創造住宅研究開発プロジェクトに参画して事業化したもので、日本板硝子環境アメニティ株式会社が販売を担当します。
日本板硝子環境アメニティは「快適空間の創造」を企業コンセプトにし、「音分野」の道路・鉄道用防音壁の販売、工場の騒音対策、放送スタジオ・コンサートホールの設計・施工、住宅のピアノ室防音工事・遮音床工事、「音周辺分野」の病院・オフィスサーバールーム等の電磁波遮蔽工事、工場・研究所等のクリーンルーム工事、「快適性分野」のオフィスのOA床工事、人工大理石(レジセラ)製洗面化粧台の販売、GRC建材を用いたビルの意匠性内外装工事等環境機能建材の販売とエンジニアリング事業を展開しています。
「ふぁみりえ」は、日本板硝子環境アメニティ株式会社が販売している家庭用室内組立式ピアノ室「ソノカプセル」と住宅のピアノ室防音工事「サウンドクリニックシステム」の実績、技術、ノウハウさらに空気清浄,電磁波遮蔽等の室内環境制御技術を活かしたものであります。
「ふぁみりえ」の概要は以下の通りです。
1.商品名 室内組立式介護ルーム「ふぁみりえ」。
「ふぁみりえ」はファミリー(家)とエイド(援助)の造語。
2.商品コンセプト 高齢者が、住み慣れた家(部屋)で、家族とともに、快適に、安心して暮らせ、介護者の労力が軽減でき、自立を支援する介護ルーム。
3.商品の用途(販売の対象)(1)対象の家
1.戸建住宅
2.集合住宅
(2)対象者
在宅介護を必要とされる方
1.寝たきりの高齢者(介護保険法の要介護度4~5)
2.機能障害者(身体障害者)
3.リハビリ療養者 等
4.商品の特徴(1)既存住宅の居室を解体しないで施工できる構造パネル式のルームインルームタイプの介護ルーム。
自立後はもとの部屋に容易に復元できます。
(2)生活に必要な給湯給排水・電気設備を装備した介護ルーム。
お風呂は好きなときいつでも入れます。この部屋で終日過ごせます。
(3)介護の負担を軽減する走行リフト、自立を支援するリハビリ器具・手すりを装備した介護ルーム。
介護者の身体の負担が軽くなり、心の余裕ができ自立の支援や余裕時間が使えます。
(4)短工期(3日)で施工できる介護ルーム。
家で生活したままで施工できます。
(5)防臭、防音、断熱性に優れ、快適空間を確保した介護ルーム。
トイレのにおい、外部からの騒音、高齢者に適した温度湿度がコントロールできます。
5.商品の仕様と構成 「ふぁみりえ」は、標準パネルと設備・部品を組み込んだ設備パネル、内付けサッシパネル、出入口ドアパネルと引き戸パネルで構成されています。電気配線、給湯給排水管を壁パネル内に納め、外部ユーティリティと接続させます。収納式洗面パネル、走行リフトパネル、リハビリパネル、手すりパネル、スイッチ・コンセントパネルを所定の位置に配置し完成します。
6.価格 350万円(工事費込み)
6畳タイプ標準装備付(走行リフト、手すり、収納式洗面台、照明器具、換気設備、スイッチ、コンセント)
7.実績 平成11年6月に、某大学の校内にある学生寮の1部屋を、車椅子で通学する機能障害者用として「ふぁみりえ」を施工。現在も使用中です。
8.販売計画 当面は、首都圏、関西圏を中心に販売します。販売方法は、お客様への直接販売と代理店による提携販売をおこないます。売上は、3年後5億円を見込んでおります。
9.背景 現在、わが国においては急速に高齢化が進行しており、介護が必要な高齢者も増加している。高齢化率(65歳以上人口が全人口に占める割合)は、2000(平成12)年は17.2%に達し、2015(平成27)年には25.2%になり、4人に1人が高齢者になることが予想されています。
一方、寝たきりの高齢者数は、2000(平成12)年には120万人に達し、2010(平成22)年は170万人、2025(平成37)年には230万人になると予想されています。
介護は家庭の問題から社会的な問題になってきており、老後の最大の不安である介護を国民皆で支えあい,高齢者の自立を支援していこうとする介護保険制度が平成12年4月より施行されました。
高齢者の多くは老後も住み慣れた家、地域で,家族や親しい人とともに暮らしていくことを希望していることから、介護を要する在宅高齢者の生活を支援するために、在宅介護サービスの充実がはかられてきました。しかし在宅サービスの供給体制の整備が不十分のため、在宅において生活することが可能であるにもかかわらず、介護老人施設に入所したり、入所後に要介護度が改善しても退所できないあるいは介護老人施設に入所を希望しても、入所希望者が多くて入所できないのが現状であります。
北欧に比べ,日本は寝たきりの高齢者が多く、介護負担の増大や高齢者自身にとっても「生活の質」が著しく低下した状態であることから、国は寝たきり予防、自立を促しています。
老老介護といわれるように介護する人の高齢化も進んでいます。介護者の2人に1人は60歳以上であります。在宅で介護するとき、ベッドからトイレ、浴室等への移動など肉体的に介護できないケースが増えていくことが避けられない状況にあります。
要介護者を在宅で介護する場合、介護度に応じて、手すりをつけたり,段差を解消したり、浴室を改造することあるいは押入れをトイレに空間にリフォームする住宅改修が行われています。敷地がある場合には離れタイプの介護室やコンテナー式の介護室を設けるケースも増えてきました。
しかし、これら在来工法での住宅改修では、要介護者の改善度に応じて、簡易に模様替えをしたり、自立改善によって元の部屋に復元するときは費用がかかり容易ではありません。
このような背景のもとで、日本板硝子は、平成6年度通商産業省(当時)生活価値創造住宅研究開発プロジェクトに参画し、住宅の居室を介護ルームにリフォームし、自立すればもとの部屋にリニューアル(解体,復元)できる、ビルトイン(ルームインルーム)タイプの室内組立式介護ルームの研究開発を行ってきました。
このたびその成果がまとまり室内組立式介護ルーム「ふぁみりえ」として商品化ができ販売に至りました。 介護ルームの研究開発にあたっては、関係会社の日本板硝子環境アメニティ株式会社と情報交換を行いながら進めてまいりました。
「ふぁみりえ」を品揃えすることにより、住宅のピアノ室防音工事に加え、在宅ケアリフォーム工事が期待でき、特徴ある住宅リフォーム事業の展開が可能となりました。
10.今後の事業計画 室内組立式介護ルーム「ふぁみりえ」は、当面売り切り商品とするが、リユースシステムを構築し、リース販売によって販売地域を広げていく予定であります。
【お問い合せ先】 日本板硝子環境アメニティ株式会社 未来事業部 ふぁみりえグループ 宮坂、溝口
電話 03-5443-0207