空間分割多重光インターコネクションの実用化について

Date
2001年 09月 18日
日本板硝子株式会社(社長 出原洋三)では、経済産業省が推し進める「次世代情報処理基盤技術の開発」を目的としたリアルワールドコンピューティング(以下RWC)プロジェクトとして進めて参りました「空間分割多重光インターコネクション」の技術開発に目処がつきましたので、その概要をお知らせします。

1.空間分割多重光インターコネクションとは
 光通信で容量を増やす方法は、大きく分けて次の3つ及びその組み合わせで使われる方法があります。
(1)時分割多重(TDM)方式・・・信号を高速にする方式。
(2)波長分割多重(WDM)方式・・・複数の波長の光を多重化する方式。
(3)空間分割多重(SDM)方式・・・複数のファイバを用いて並列伝送する方式。
 この中で、SDMは、パラレルの電気信号をそのまま光信号に変換して伝送できるため、コンピュータや光交換機のボード内やボード間およびラック間のような短距離伝送に適しています。
 空間分割多重光インターコネクションは、光入出力のインタフェースとなる平板マイクロレンズ(PML)とテープファイバの(出射光を複数の並行光束にする)コリメータや(出射光を各々テープファイバに入射させるための光回路である)結合光学系を0.25mmピッチで2次元に高精度配列した光の接続部品です。

2.平板マイクロホールアレイ(PMH)の応用
 空間分割多重インターコネクションでは、光路を2次元に高密度配列しているため従来の(光ファイバをV溝に配列しアクティブに調芯する)方法では作ることができません。
 そこで、我々は(優れた紫外レーザ加工性を有する)フォトマシナブルガラスを使用し、レーザーにより物質を昇華させて加工する(レーザアブレーション)プロセスで作製したPMHを開発しました。ファイバを結合するときには、光軸調整(調芯)作業が必要で、1本毎に数分から10分程度を要しますが、PMHを使うことで、我々は接続部品に自己調芯機能を付与することができ、光ファイバをPMHに差し込むだけで調芯実装が可能となりました。これらにより、世界最高水準である1mm²当たり16チャンネルの光インターコネクションを実現することができました。


3.研究の成果と実用化
 このインターコネクションは小型高密度であるため、特に集積度を上げたいプリントボードへの省スペース実装にメリットがあります。また、面型受発光デバイスのパッケージングに適しており、コンピュータボード内/ボード間の高密度配線を効果的に実現することができます。さらに、同一構造で基板の厚さを代えることにより、(結合光学系部品からコリメート光学系部品まで)幅広い範囲をカバーすることが可能であり、お客様の仕様に合わせた集積光学系部品を提供することができます。

4.今後の展開
 本インターコネクションは、光通信関連と、その他、微小領域の光センシングなど、光検出や環境分析などへ用途展開を図っていく計画です。事業化は、2002年度を計画しております。
 なお、これらは、RWCP(技術研究組合新情報処理開発機構)において実施された光インターコネクション日板研究室での研究開発の成果であり、10/3から行われるRWCP最終成果報告会(RWC2001)で公表の予定であります。