防犯・防音機能を備えた真空ガラスの発売について

Date
2004年 06月 08日

日本板硝子株式会社(社長 出原 洋三)では、このほど、高断熱ガラス「真空ガラス スペーシア」に、防犯機能と防音機能を加えた「合わせ真空ガラス」の新シリーズを発売致しました。

 「合わせ真空ガラス」新シリーズは、当社が世界で初めて開発に成功した超薄型の高断熱ガラス「真空ガラス スペーシア」(平成9年10月発売)に、ハイレベルな防犯性能を付加した「スペーシア 守(まもる)」と本格的な防音建築に対応可能なレベルの遮音性能を付加した「スペーシア 静(しずか)」からなります。

 従来は、高断熱と防犯、或いは高断熱と防音の両方の機能を1枚のガラスで実現するには、防犯ガラスを複層ガラスに加工したり、複層ガラスに使用するガラス厚みに工夫を加え、防音性能を向上させる必要がありましたが、複層ガラスに加工した場合は、ガラスの総厚味が20~30ミリ近くなるという問題がありました。
 今回発売する「スペーシア 守」「スペーシア 静」は総厚味がほぼ半分の約11ミリのガラスで高断熱と防犯、或いは高断熱と防音を可能にした、非常にユニークなガラスです。

 「スペーシア 守」は、フィルム状の特殊中間膜を用い、スペーシアとポリカーボネート板、及び一枚ガラスを貼り合わせた多層合わせ構造の“断熱・防犯ガラス”です。1.2ミリのポリカーボネート板を採用することで、バールなどによる「打ち破り」、ドライバーによる「こじ破り」のそれぞれの侵入手口に対し、最も上位に分類される防犯性能(P5A/P3K)※1を実現しており、警察庁が公表(平成16年4月1日)した「防犯性能の高い建物部品」にも該当※2しています。
 また、「スペーシア 静」は、フィルム状の特殊中間膜を用いて、スペーシアと一枚ガラスを貼り合わせた “断熱・防音ガラス”です。スペーシアと特殊中間膜の遮音特性が結びつくことで、JIS等級T-3(Ts-35)に適合する遮音性能を実現しています。 
さらに、「スペーシア 守」「スペーシア 静」ともに、UVカット機能にも優れ、99%以上のUVカット性能を備えています。もちろん、高断熱性能、結露防止性能や省エネ効果、そして、スリムな構造などについては、スペーシアの基本性能をそのまま受け継いでおります。

 一般的に、合わせガラスの生産には、高温で圧着する工程がありますが、真空ガラス、ポリカーボネート、一枚ガラスそれぞれの熱的特性が大きく異なるため、加温・冷却の過程で反りやたわみが発生し、場合によっては割れてしまうという問題がありました。また、真空ガラスは内部が減圧してあるため、一般的に使用される加圧窯を使って圧着加工した場合、圧力が過大となり破損してしまうなどの問題も有りました。

 このたびの開発では、真空ガラスの生産設備を使用し、ガラスの表面温度を厳密にコントロールし反りやたわみを無くすとともに、低圧で貼り合わせ加工を行う技術を確立し、こうした問題を解決することに成功しました。
 また、生産コストの面でも、真空ガラスの製造設備を活用することにより、1ヶ所の工場で合わせ加工まで行うことができるため、大幅なコストダウンを実現することができました。
 その結果、「スペーシア 守」を例に、同レベルの防犯性能を有する防犯複層ガラスと比較した場合、「スペーシア 守」の方が断熱性能、遮音性能ともに優れているにも拘らず、ほぼ同程度の価格を実現することができました。

  COP3以降、住宅分野での省エネルギー対策が、CO2排出量削減に向けた最重要課題の一つとして注目されており、窓ガラスにも、断熱性能の向上が求められています。しかし、一方で、地価の下落に伴う住宅の都心回帰や、空巣侵入方法の中で、ガラス破りが最も多くなるなど※3、社会情勢の変化に伴い、「断熱」ばかりでなく、「防犯」や「防音」機能も、窓ガラスに求められるようになっております。 
 「スペーシア 守」「スペーシア 静」は、こうした「断熱」「防犯」「防音」の要求に対し応えることが出来る、それぞれ最高レベルの性能を有しているばかりでなく、「UVカット」、新築からリフォームに至る多様な用途への採用を可能とする「スリム構造」など、生活者が必要としている殆どあらゆるニーズを満足する、まさにパーフェクトなガラスと言えます。

 日本板硝子では、「合わせ真空ガラス」の優れた特徴を生かし、マンション、ホテル、病院などの「静粛性」「断熱性」「防犯性」が求められる建築物や、断熱・防犯リフォーム市場をターゲットに、本年6月より本格販売を開始、3年後の平成19年度には、30億円の売上を見込んでおります。

【注記】
※1.ガラスの防犯性能に関する板硝子協会基準による分類です。
※2.防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議の定める付帯条件を満足することが条件となります。
※3.出展:警視庁生活安全総務課講演資料

【補足資料】

各種ガラスの比較(20KB/1ページ)

空き巣侵入方法(8KB/1ページ)

【お問い合わせ先】
日本板硝子株式会社  硝子建材カンパニー 機能硝子事業部 商品企画部
(担当:森・三浦) 03-5443-0107
総合企画室 広報グループ
(担当:藤井・尾崎) 03-5443-9505

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