安全ガラスは、衝撃による破損によって引き起こされる切り傷や刺し傷のリスクを軽減するために「安全に」割れるガラスと定義することができます。一般的に、安全ガラスは合わせガラスと強化ガラスで構成され、それぞれ異なる安全性を発揮しています。
網入りガラス
ガラスが割れて破片が落下する危険性に対処するために考案されたガラスです。1893年のシカゴ万国博覧会では、ガラスの破片が落下し、来場者に怪我をさせないよう、ガラスの張り出しの下に金網が設置されました。やがて、ガラス内部にワイヤーを入れて製造されるようになり、のちにそれが安全対策ガラスとしての網入りガラスへと発展していきました。 (注 : 現在、多くの国では、網入りガラスは、大きく鋭い破片が割れたときに落下する危険があるため、安全ガラスとは見なされていません。火災時の延焼を防ぐ防火ガラスとしての利用が一般的です。)
合わせガラス
合わせガラスは、2枚以上のガラスを中間膜(樹脂膜)で貼り合わせたものです。衝撃を受けて割れても、中間膜がガラス片の飛散や脱落を防いでくれます。より硬い中間膜を使用することで、合わせガラスの性能を強化することができ、現在ではフレームレスのガラス柵としてもよく使用されています。