社長メッセージ

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

2024年3月期は、主要通貨の円安、燃料価格の下落の追い風はあったものの、世界的なインフレに伴う原材料費、人件費等のコスト上昇、特に下半期には欧州の景気減速や欧米の金利上昇の影響を大きく受けました。かかる事業環境のなかで中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」最終年度として引き続きコスト削減、付加価値製品の拡大、販売価格の改善に努め、自動車用ガラス事業が前期比で大幅に改善しました。

結果、当期の業績は、売上高が前期比9%増の8,325億円(前期は7,635億円)、営業利益は前期比3%増の359億円(前期は348億円)となりました。また税引前利益は176億円(前期は219億円の損失)、当期利益は109億円(前期は310億円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は106億円(前期は338億円の損失)とのれん・無形資産の減損損失を個別開示項目に計上した前期より大幅に改善しました。ただ、RP24の財務目標数値のうち自己資本比率およびフリー・キャッシュ・フローは達成したものの、営業利益率および純利益は達成できませんでした。

2025年3月期の見込み

2025年3月期は、前述の2024年3月期下半期と同様の厳しい事業環境が継続する見込みです。一方で建築用ガラス事業では、引き続き太陽電池パネル用ガラスの需要が堅調で、昨年12月に稼働を開始したマレーシアの新設備が通年で寄与し、北米でも既存設備を太陽電池パネル用ガラスの生産用に転換いたします。また自動車用ガラス事業では、そのペースは落ち着くものの自動車生産制約の解消に伴い販売数量が回復する見込みで、販売価格改善交渉も継続いたします。高機能ガラス事業では、依然高い利益率を確保する見込みです。事業環境の変動に伴う業績影響の低減をさらに進め、本年5月に発表いたしました新中期経営計画「2030 Vision : Shift the Phase」に基づき、4つのD(Business Development、Decarbonization、Digital Transformation、Diverse Talent)を軸とした戦略を通じて、収益性の強化、キャッシュ創出力強化により有利子負債の抜本的な削減を推進し、自己資本を増強してまいります。

配当について

当社グループでは、持続可能な事業の業績と財務基盤をベースにして、安定的に配当を実施することを利益配分の基本方針としておりますが、当期の普通株式の期末配当につきましては、当社グループの財務状況等を総合的に勘案し、誠に遺憾ながら、その実施を見送ることといたしました。

配当は株主の皆様にとって非常に重要なものであると認識しており、グループの一層の業績改善、財務基盤の強化に注力し、一日も早い配当再開を目指してまいります。

株主の皆様におかれましては、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2024年6月
日本板硝子株式会社
取締役 代表執行役社長兼CEO
細沼 宗浩

当社は、お客様のプライバシーを尊重しています。

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