セラミック吸音材「カバナス」について
日本板硝子の子会社である、日本板硝子環境アメニティ株式会社(本社 東京都港区芝一丁目11-11、社長 北崎歓洋)とイソライト工業株式会社(本社 大阪市北区堂島浜一丁目2-6、社長堀江鋭二)は、極めて吸音性が高く、現場における施工性に優れたセラミックス吸音材「カバナス」を共同で開発し、両社で5月より本格的に販売を開始した。商品の概要は、下記の通り。
1.商品名 セラミックス吸音材「カバナス」
2.品種 「カバナス35」250×120×35mm(厚さ) 0.8kg/個
「カバナス65」250×120×65mm(厚さ) 1.8kg/個
3.「カバナス」の概要とその優れた性質 「カバナス」は1300℃の高温で焼成後、孔あけ加工したセラミックスで、外装材としての耐候性・耐凍結融解性に優れ、また内装材としての意匠性・耐火性にも優れた全く新しいタイプの吸音材である。「カバナス」は基材中に含まれる微小の連続気孔による空気振動の摩擦損失と、表面に均一に配置された一定の径の非貫通孔による見掛けの面積増加とヘルムホルツ的効果により、音のエネルギーを吸収する画期的な吸音材である。
(1)「カバナス」は、非常に高い吸音性を持っている。
非常に高い吸音性を持っているので背後空気層を設ける必要がない。
吸音性能=0.9M(JIS A 6301-1994<吸音材料>
(2)「カバナス」は、内装、外装どちらにも使用できる。
内装材としては、耐火断熱れんがの製造技術により製造されているので、不燃材であることに加えて断熱性が高く大きな省エネ効果が期待できる。
外装材としては、高温で焼成したセラミックスであり耐候性、耐凍害性に優れており、屋外使用も十分可能である。
(3)「カバナス」は、工場で一体成型ができるので施工性が抜群
工場でプレキャストコンクリート板(PC板)やプレストレスコンクリート板(スパンクリート板)と「カバナス」を一体成型できるので現場作業の効率化が図れる。
(4)「カバナス」は、簡単に加工できるので現場施工がスピーディ。
現場で後貼りの場合は、接着剤とアンカーの併用で施工が可能。またカッターや鋸で切断できるので現場合わせも簡単にできる。
4.施工方法(1)工場での一体成型の場合
プレキャストコンクリート板(PC板)やプレストレスコンクリート板(スパンクリート板)と「カバナス」を工場で一体成型したものを現場に搬入、そのまま組み上げる。
(2)現場後貼りの場合
接着剤とアンカーを併用して施工する。カッターや鋸で切断できるので、現場での寸法合わせは簡単。
5.用途・防音壁
鉄道・道路の防音壁用
・内装材
清掃工場・下水処理場・発電所などの機械室やポンプ室そして鉄道・道路のトンネル、又クーリングタワー・換気塔及びスタジオやホール等の吸音内装用
6.施工実績(施工中を含む) (1)「東京都港地区清掃工場の蒸気コンデンサーヤード」
施主:東京都
設計監理:横河建築設計事務所
施工:三菱重工、竹中工務店、日産建設JV
(2)「岡山県南部健康づくりセンターの室内プール」
施主:岡山県
設計監理:坂倉建築研究所
施工:清水建設JV
(3)「京都駅ビルのクーリングタワー」
(4)「健康ランドのボイラー室」等に採用されている。
7.今後の展開 「カバナス」の優れた諸性能の評価を得るため平成7年度建設省技術評価制度の開発テーマである「騒音低減効果の大きい吸音板の開発」に応募し、厳しい要求性能に合格し、現在(イ)掘り割り壁面、(ロ)トンネル内装壁面、(ハ)橋脚壁面への使用に対する評価申請を行っており、今後大きな重要を期待している。
8.両社の概要 日本板硝子環境アメニティ(株)とイソライト工業(株)は、共に日本板硝子(株)の子会社である。
優れた防音、防振音響技術を持つ日本板硝子環境アメニティ(株)は、録音スタジオ、音楽ホール、鉄道・道路防音壁、工場騒音対策、住宅防音、OA床等を中心に事業を展開している。
一方イソライト工業(株)は、昭和2年創業の耐火断熱材の国内及びアジアにおけるトップメーカーであり、その他景観事業、環境緑化事業や鉄骨の耐火被覆等の事業を展開している。