高密度波長多重通信用モニターモジュールの開発について
日本板硝子株式会社(社長 出原洋三)は、この度高密度波長多重通信(DWDM)で使用される、高性能モニターモジュールの開発に成功しましたので、その概要をお知らせします。
現在、北米ではインターネットの普及などから、通信の伝送容量をいかに増大させるかが急務となっております。このため、一本の光ファイバに少しずつ波長の異なった光を用い、その波長ごとに異なる信号をのせて多重化する、DWDM通信システムの需要が急増しております。DWDM通信システムに於けるモニターモジュールの機能は、発信された波長が正しく送られてきているかを途中でチェックするものですが、現在は簡易なモニターで対応しており、今後通信系を制御するキーモジュールとして、その高性能品の開発及び実用化が期待されております。
今回開発に成功したモニターモジュールは、送られてきた光をガラス製の特殊回折格子で各波長に分離し、フォトディテクタアレイによって信号を検出するものです。従来分光素子として使われる回折格子は、ガラス基板の上にプラスチック材料を塗布しこれを整形することによってつくられているため、信頼性の問題から通信用モジュールとしては実用化されておりません。本モジュールに用いられる回折格子は、全て特殊ガラスでできており、耐候性や耐熱性に優れていることから、DWDM通信システムに於けるモジュールとして必要な信頼性を確保することができました。
日本板硝子は、現在光通信用のセルフォック・マイクロレンズを供給しています。このレンズは、光通信システムを構成するフィルタモジュールやアイソレータなどパッシブモジュールには不可欠な部品であるため、北米市場ではスタンダード部品として大幅な伸びを示しております。今回、セルフォックマイクロレンズと共に高性能モニターモジュールを供給していくことにより、DWDM通信システムの発展にさらに貢献していけると考えます。
(ご参考)高密度について
高密度とは、光ファイバアンプが増幅できる1550nm(ナノーメートル:1mmの百万分の1)近傍の波長範囲に、近接した波長の光をできるだけ多く詰め込むことを意味します。現在、実用化されているシステムで最も近接した波長間隔は、0.8nm(周波数表現では100GHz間隔)です。