インクジェット複合機能プリンタ(MFP)向けの光レンズ部品の増産について

Date
2003年 12月 16日
日本板硝子株式会社(社長 出原洋三)は、主にインクジェット複合機能プリンタ(MFP、オールインワンプリンタとも呼ばれている)に使われる当社独自の光レンズ部品であるセルフォック®レンズアレイ(Selfoc® Lens Array :SLA®)と当社独自の照明部品であるセルガイド®(Selguide :SG)の増産を行うことを決定いたしましたのでお知らせします。

現在、インクジェットプリンタ市場では、従来のような単機能プリンタではなく、スキャン、コピー、プリント、更にはファクスの3つないしは4つの複合機能を持つMFPの出荷が拡大しています。このコンセプトの商品は今年に入ってから、コンパクトかつ手頃な価格で販売され、急激な勢いで市場を伸ばしており、当社予測では、年間7~8千万台の全世界のインクジェットプリンタ市場の内、今後数年間に半数以上がMFPに置き換わる可能性があると考えています。インクジェットプリンタの大半は家庭で使用されるため、省スペースの観点から小型化が望まれていますが、スキャン方法に、当社のSLA®とSGを使ったCIS(コンタクトイメージセンサー)方式を使うことで、複数のレンズを使って光路を折り曲げるレンズ縮小方式に比べ、装置自体をコンパクトにできるなどのメリットがあり、最近のMFPにはCISが多く使われるようになってきています。
当社のSLA®は光路長の短い正立等倍結像レンズアレイであり、また、SGはLEDを用いた原稿照明用の導光体光源であり、ともにCIS方式にとってなくてはならない部品として広く使われています。
MFPに使われるSLA®は、現在、弊社相模原工場(神奈川県相模原市)でレンズファイバー素線を、中国の生産子会社である蘇州板硝子電子社(中国江蘇省蘇州市)で組立を行っており、生産能力は月産200万本(A4サイズ、1列換算)であります。
このような著しい市場の伸張を踏まえ、今般、来年夏頃を目処に月産300万本まで生産能力を引き上げることとしました。レンズファイバー素線は相模原工場に増設設備を設置し、組立工程は中国において新ラインを設置いたします。また現在、生産を外注委託しているSGについても、同様に数量増が見込まれるため、生産ラインの増強を準備しています。
今後のMFP市場の伸張によっては、更なる増産対策が必要となる可能性もあり、状況を見ながら対応していく予定としています。

【お問い合わせ先】
日本板硝子株式会社 総合企画室 広報グループ 03-5443-9505
 
<ご参考>
1.インクジェットプリンタ、MFPの市場予測
インクジェットプリンタ、MFPの市場予測

2.SLA®の原理、構造

 (a)SLAの原理
SLAの原理

SLA(セルフォック・レンズ・アレイ)は、セルフォック・レンズ(径方向屈折率分布型レンズ)を多数配列し、広範囲の画像伝送を可能にしもの。
SLAによる像は、隣り合った複数本のレンズ素子が作る像の重ね合せとして形成される。
直線状のアレイ1本で等倍結像できるため、球面レンズを用いた光学系に比べて、簡単な構成でコンパクトな光学系を実現できる。

 (b)SLAの構造
SLAの構造 
2枚のFRP板の間にレンズ素子が規則正しく配列され、その間隔が黒色樹脂で充たされている。
3.CIS方式、レンズ縮小方式の構造

CIS方式、レンズ縮小方式の構造

4.MFP方式でのCIS方式適用の商品例
MFP方式でのCIS方式適用の商品例 
Hewlett Packard 社製 PSC1350 (日本ヒューレットパッカード社HPより)

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