ゾル‐ゲル法によるガラスへの抗菌・抗ウイルスコーティングの開発に成功

2021年 03月 17日

日本板硝子株式会社(本社:東京都港区、代表執行役社長兼CEO 森 重樹)は、この度、ガラス基板上に高い抗菌・抗ウイルス機能を発揮する、ゾル‐ゲル法(下記注)を用いた当社独自のコーティング技術の開発に成功しましたので、以下の通りお知らせいたします。

今般新たに開発したコーティング技術による抗菌・抗ウイルスの仕組みは以下の通りです。

  • ① ガラス表面に塗布された銅含有膜が空気中の水分や酸素等と反応して活性酸素類(H2O2、OH・等)を発生
  • ② 活性酸素の働きによってウイルスの持つエンベロープ膜の破壊や、脂質、タンパク質、遺伝子物質の分解を引き起こし、表面に付着した細菌やウイルスを不活性化

公的機関における国際規格に基づいた評価試験において、99.99%以上の高いウイルス不活性化効果を確認しています。

また、このコーティングが施されたガラスは暗所でも機能を発揮する抗菌、抗ウイルス性能にとどまらず、摩擦や薬品に対する優れた耐久性や高い透過性を持つため、スマートフォンやタブレットをはじめ、レジ端末、ATM、エレベーター、医療機器、家電等の各種端末画面や操作ボタンといった人が触れる機会のある様々な部位への使用も可能です。 個人用途に限らず、病院や介護施設、飲食店など、不特定多数の人が触れる機会があり、衛生的な環境が求められる公共の場所への使用により、安心・安全な環境の実現に貢献します。

今後マーケティング活動を進め、2022 年3 月期中の発売開始を図ります。

以上

NSG グループ(日本板硝子株式会社およびそのグループ会社)は、建築用、自動車用および高機能ガラスの分野において世界最大のメーカーのひとつです。従業員数約27,000 人、約30 カ国に主要製造拠点を有し、100 カ国以上で製品の販売を行っています。
https://www.nsg.co.jp/

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IR・広報部
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【ご参考】

ゾル‐ゲル法:溶液原料の化学反応により合成したゲル体を加熱処理により緻密化することで、セラミックスやガラス質のコーティングを作製する材料合成法の一つで、基板ガラスと同じシリカ構造の密着性の高い成膜が可能

<機能イメージ図>

<当コーティングの特徴>

  1. 優れた抗菌、抗ウイルス性能
    • ISO21702の評価条件で、>99.99%のインフルエンザウイルス低減効果(抗ウイルス活性値4.2)
    • ヒトコロナウイルスへの効果も確認(HCoV-NL63(ヒトコロナウイルスNL63)
    • 抗菌性能試験(ISO22196:大腸菌)でも効果を確認

      試験方法:試験片に菌、ウイルスを含んだ菌液又はウイルス液を滴下し、35℃±1℃、相対湿度90%以上で24時間培養後、1㎠当たりの生菌数を測定

  2. 優れた耐久性

    独自のゾル‐ゲル製法による強固な膜(鉛筆硬度9H)により、摩擦や薬品などに対する耐久性を持ち、頻繁な接触操作やクロスなどでの拭き掃除なども可能

  3. 優れた光学、電気特性

    無塗布のガラスとほぼ同等の透過率。静電容量式タッチパネル等にも使用可能

  4. 暗所でも機能を発揮

    銅の作用により、紫外線(自然光)や可視光(蛍光灯)が当たらない暗所でも抗菌・抗ウイルス効果を継続的に発揮

注意事項
  • 本製品は、病気の治療や予防を目的とするものではありません。また、医療品や医療機器などの医療を目的としたものではありません。
  • 抗ウイルス性能は、検査機関による試験結果であり、実際の使用状況により異なる場合があります。
  • 本品は、ウイルスや細菌による感染を完全に防ぐものではありません。抗ウイルス・抗菌効果は本品の表面に付着したウイルスに対して発現するものであり、感染予防を保証するものではありません。

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